不可能といわれた無農薬リンゴの栽培に成功!映画『奇跡のリンゴ』モデルとなった木村秋則さんが語る!
阿部サダヲと菅野美穂が出演する映画『奇跡のリンゴ』のモデルとなった木村秋則さんが、無農薬でリンゴを栽培するまでのエピソードや映画版への期待を語った。作品にも、結婚式シーンの招待客の一人として出演を果たした木村さんは、自身の若いころを阿部が演じることについて、「わたしにはもったいなさすぎる方です」と恐縮しながらも、「わたしの若いころに似ているなという気もしました」と明かしている。
木村さんは撮影のため現場を訪れた際、阿部に「こんなバカな男ですから、よろしくお願いします」と頭を下げたそう。すると、阿部は「わたしもあなたのように、一つのものに狂った生き方をしていきます」と答えたといい、それを聞いた木村さんは、「役者ですから、役者として馬鹿になろうっていう気持ちが心の中にあったんじゃないかな、と思います」とそのときの心境を明かした。
本作の中村義洋監督から映画化にあたって「一つのドラマとして、『木村秋則』という人間をスクリーン上に出したい」という話を聞いた木村さんは、そんな監督に全幅の信頼を置いているとのこと。何の注文もつけていないにもかかわらず、「実際にやっているのを見ると、よくわたしのことを忠実に表現されているなと思いましたね」と明かすと、脚本を読んでは奥さんと二人で当時の思い出を振り返ることさえあったという。
奥さんを演じる菅野については「女房よりもはるかに美人だな」と笑った木村さんだが、無農薬でのリンゴ栽培という世界初の偉業を成功させることができたのは奥さんの支えがあったからこそ。挑戦を始めてはみたものの、まったくうまくいかなかった時期には離婚を切り出したこともあったというが、そのときも奥さんには取り合ってもらえなかったと振り返った。
品種改良を繰り返しているため、リンゴの無農薬栽培は絶対不可能だといわれていた。それを実現した木村さんは「わたしが頑張ったんじゃないですよ。リンゴの木ががんばってくれたんです」と謙虚な姿勢を崩さない。講演のため全国各地を訪れると、映画化の反響がすごいことに驚くといい、「(半生が映画化されることには)恥ずかしさもあるんですが」と照れる一幕もあった。(編集部・福田麗)
映画『奇跡のリンゴ』は2013年公開