NHK、新藤兼人監督の追悼番組放送 100年インタビュー「映画監督・脚本家 新藤兼人」
NHK BSプレミアムにて、29日に老衰のため100歳で亡くなった新藤兼人監督の追悼番組として、昨年8月に放送した番組「100年インタビュー『映画監督・脚本家 新藤兼人』」を放送することが発表された。
「100年たっても色あせない、100年後の日本人にも見てもらいたい、そんな願いをこめたインタビュー番組」として、渡辺謙、山田洋次、市川團十郎、坂本龍一、森光子、宮崎駿、立川談志、蜷川幸雄、王貞治らへのインタビューを行ってきた同番組。くしくもそのタイトルが、新藤監督の享年と重なる。新藤監督のインタビューは、昨年8月13日に放送されたもので、収録が行われたのは、7月22日だったという。
同番組で新藤監督が語った「100年たっても色あせない、100年後の日本人にも見てもらいたい思い」は、自らの戦争体験を基に、生き残った兵士と戦死した友人の家族の崩壊と再生への道のりを、豊川悦司と大竹しのぶの共演で描いた映画、『一枚のハガキ』にも込められているという。
「戦争の本質は家族を破壊することである」。「100年インタビュー『映画監督・脚本家 新藤兼人』」の中で、子どものころに体験した一家離散、必死に働き続けた母親のこと、ふるさと広島の原爆、女優・乙羽信子との出会いなど自らの半生を語った新藤監督。同番組からは、新藤監督が生涯、映画を通して描いてきた、「人間と家族」「戦争」が、遺作となった『一枚のハガキ』に集約されていることが伝わってくる。(編集部・島村幸恵)
「100年インタビュー『映画監督・脚本家 新藤兼人』」はNHK BSプレミアムにて6月3日(日)午前11時から午後0時30分まで放送