ピクサー作品、13作連続のデビュー週末トップ!新作『メリダとおそろしの森』が今週のキングに! -6月25日版
全米ボックスオフィス考
スコットランドを舞台に、弓の使い手で赤毛のお姫様が大活躍するディズニー/ピクサーの新作アニメ映画『メリダとおそろしの森』が6,632万ドル(約53億560万円)をたたき出して全米トップに輝いた。この作品は、封切り週末に第1位を記録したピクサー作品13本目となる。6月から夏休みの始まるアメリカの子どもたちをターゲットに、4,164か所の上映館デビュー公開されたこの映画は、アメリカで2億ドル(約160億円)以上の興収を記録した映画『ウォーリー』のオープニング興収を抜くほどの勢いだ。(1ドル80円計算)
ディズニーは、お姫様を主人公にした『メリダとおそろしの森』を男の子たちにもアピールするため特殊なPR作戦を行い、例えばテレビで見せる予告編やプロモーションビデオでは、男の子たちに人気のある番組の時間帯には、『メリダとおそろしの森』に出てくるイタズラ好きな三つ子のキャラたちにフォーカスしたものを流し、女の子に人気のある番組のCMでは主人公のメリダ姫の活躍に焦点を絞った予告編を流した。このような綿密なプロモーションに加え、映画批評サイトの「シネマスコア」の評判もいいということで来週以降も好成績を維持する可能性が高い。
さて、先週の2週連続トップから第2位に後退したのは映画『マダガスカル3』。それでも343の上映館が減ったというのにデビュー3週目にして下降率42パーセントでも、興収は1,971万ドル(約15億7,680万円)とこちらも夏休みに入った子どもたちの恩恵にあずかったようだ。今週第3位で1,631万ドル(約13億480万円)の興収を上げたのは、セス・グレアム=スミスの人気小説を基にした映画『リンカーン/秘密の書』。アメリカの大統領として有名なリンカーンが母をヴァンパイアに殺され、復讐(ふくしゅう)のために訓練を行い、陰のスーパー・ヒーローになって活躍していたという何とも奇抜なストーリー。ハチャメチャな映画と思いきや、ストーリーが当時の社会問題であった奴隷解放や南北戦争などの史実も盛り込んでおり、なかなか実のあるアクション・ドラマに仕上がっている。
第4位は、991万ドル(約7億9,280万円)で映画『プロメテウス』。先週から52パーセントダウンとなっている。来週はトップ5圏外に落ちてしまいそうだが、取りあえず現在までにアメリカ国内のみで1億845万ドル(約86億7,600万円)の興収を上げている。第5位はギリギリで先週と同じ順位に踏ん張った、映画『スノーホワイト』で809万ドル(約6億4,720万円)。今年は映画『ハンガー・ゲーム』に始まり、今週トップの『メリダとおそろしの森』、そして『スノーホワイト』とボックスオフィスでは女ヒーロー活躍の年といって良さそうだ。
さて週末公開で次回のランクインが期待される作品だが、1本目はマーク・ウォールバーグ主演のコメディー映画『テッド(原題) / Ted』。主人公が子どものころにもらったクマの縫いぐるみがしゃべるように願ったら、見事願いはかない主人公が大人になってもずっと仲は良かったのだが、そのことによって騒動が巻き起こるというストーリー。おまけにそのクマの口の悪さと言ったら……キャラはかわいいのだが、子どもには観せられない作品なのである(つまりR指定!)。2本目は男性ストリッパーの活躍(!?)を描いた映画『マジック・マイク(原題) / Magic Mike』。今をときめくチャニング・テイタムが、俳優になる前の経験を基にして描かれた作品だとか。
3本目は、出せば当たるタイラー・ペリーのマデアおばさんシリーズ最新作の映画『マデアズ・ウイットネス・プロテクション(原題) / Madea’s Witness Protection』。上映館数ではほかの新作2本にかなわないが、人気者マデアおばさんの映画なので、黒人層を中心にヒットする可能性あり。(文・ロス取材: 明美・トスト/Akemi Tosto)