イーストウッド、4年ぶりの俳優復帰作が日本公開決定!老スカウトの悲哀を描いた『人生の特等席』
実質的な俳優引退を宣言していたクリント・イーストウッドの復帰作『人生の特等席』が、11月23日より全国公開されることが明らかになった。現在82歳のイーストウッドの俳優出演は、2008年の映画『グラン・トリノ』以来4年ぶり、自身の監督作以外では1993 年の映画『ザ・シークレット・サービス』以来、実に19年ぶりとなる。
映画『グラン・トリノ』を監督・主演したイーストウッドは「もう積極的に役は探さない」とインタビューで語り、実質的な俳優引退を宣言。その言葉の通り、監督として『インビクタス/負けざる者たち』『ヒア アフター』『J・エドガー』を制作したイーストウッドだが、この4年間、俳優活動を行うことはなかった。
だが、本作では1995年の映画『マディソン郡の橋』以来、17年にわたってイーストウッドから映画作りを学んだ、まな弟子のロバート・ロレンツが監督を務めるということで、スクリーン復帰を快諾。これが最後になるかもしれない出演作で、映画に生涯をささげてきたイーストウッドが演じるのは、野球に生涯をささげてきた男だ。
主人公・ガスは、老化で視力が弱まってきている今、衰えをごまかしきれない大リーグの伝説的なスカウト。それでも引退するつもりのないガスに周囲の目は冷たいが、ひょんなことから娘のミッキーが、ガスの目となるため、スカウトに同行することに。決して仲が良いとはいえない父娘が何年かぶりに時を共にするうちに、お互いを見つめ直すという上質なヒューマンドラマとなっている。
映画の題材となっている大リーグのスカウトは、次世代を担う若者を見いだすという仕事。本作でイーストウッドはその尊さをスクリーン上で表現するとともに、自身の弟子であるロレンツを監督に据えることでスクリーン外でも次世代へと絆をつなげることの大切さを伝えてくれている。出演はイーストウッド、娘ミッキー役い『魔法にかけられて』のエイミー・アダムスほか、『ソーシャル・ネットワーク』のジャスティン・ティンバーレイク、ジョン・グッドマン、ロバート・パトリック、マシュー・リラード。(編集部・福田麗)
映画『人生の特等席』は11月23日より丸の内ピカデリーほか全国公開