押井守監督、初の英語実写映画!構想15年以上…「ガルム・ウォーズ」がついに始動
『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』などで知られる押井守監督による初の英語実写映画『ザ・ラスト・ドルイド: ガルム・ウォーズ(原題) / The Last Druid: Garm Wars』が、2014年初夏に公開されることが明らかになった。同作は押井監督が15年以上前から温めていた企画であり、念願ともいえる製作の開始に押井監督は「ようやく時を迎えたのだ。15年の時を経て、新たなスタッフやキャストと共に、この作品に再び立ち向かうことに意欲を燃やしている」とのコメントを寄せている。
『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』『イノセンス』をはじめとするアニメーション作品で知られる押井。一方で実写映画の分野でも『ケルベロス 地獄の番犬』『Avalon アヴァロン』などを手掛け、独特の世界観はそのままに、アニメと実写のスタイルが融合する作品を生み出してきた。本作は、そんな押井監督が15年越しで挑むスチームパンク作品。異世界を舞台に、ガルムと呼ばれるクローンたちが戦争を続ける中、戦場を離れた主人公・カラが繰り広げる冒険の行く末を描いている。
「『The Last Druid: Garm Wars』はわたしにとって、どうしても実現したかった映画だ」という押井監督は、本作を1995年の『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』公開直後から企画していたことを告白。「しかし、残念ながら当時のデジタル環境はこの作品のコンセプトを実現するにはあまりに未成熟であり、映画作品として世界に送り出すには至らなかった。しかし2012年現在、映画の制作環境は一変し、特にそのデジタル技術は当時と比べると驚異的といって良いレベルに達している」と改めて本作の製作に着手した経緯を明かした。
プロデューサーを務めるのは、押井の長年のパートナーであり、Production I.G代表取締役社長を務める石川光久。15年以上前に企画を聞いたときにはプロデューサーとして製作に反対したという石川だが、今回は「15年という歳月をかけて押井守の魂が熟成され、お客さんに『観たい』と思われる内容になりました。カナダを本拠地にして制作される押井守ワールドを、世界のお客さんに贈ります」と自信をのぞかせている。
押井監督にとって、久々の長編実写映画となる本作は世界50か国・地域での展開を視野に入れているとのこと。全編英語せりふであることはもちろん、登場人物はすべて英語圏で活躍する俳優陣をキャスティングするといい、押井監督は「英語圏で活躍する俳優たちと英語で仕事をすることは、わたしにとっても大きな冒険であり、その成果に大きく期待をしている」と新たな挑戦に興奮している様子だ。(編集部・福田麗)
映画『ザ・ラスト・ドロイド: ガルム・ウォーズ(原題) / The Last Druid: Garm Wars』』は2014年初夏公開予定