松尾スズキ、Coccoの相手役・塚本晋也監督はストーカー的?俳優としての進化を絶賛!
18日、多摩市のベルブホールで、映画祭「第22回TAMA CINEMA FORUM」特集上映「KOTOKOへの軌跡~塚本映画の新しい地平線~」が行われ、松尾スズキが俳優・塚本晋也について大いに語った。
『ヴィタール』「Cocco 歌のお散歩。」『KOTOKO』という塚本晋也×Coccoによる3本のコラボ作を一気に見せようという今回の企画。その上映終了後に、過去に何度かタッグを組んで、気心も知れた二人のトークが行われた。
俳優として自作に出演することの多い塚本監督だが、本作でもそれは踏襲。本作では、琴子(Cocco)の歌声に惚れこんで付け回し、結婚を迫る小説家の田中を怪演しているが、そんな俳優・塚本晋也を松尾が「基本的にストーカー気質な役が多い」と評すると、「そうなんです。ただ、『鉄男 THE BULLET MAN』でストーカーの役は終わりにして、今回は新たな役でと思ったけど、やっぱりストーカーになってしまった」と塚本監督は苦笑い。
塚本監督自身は「(大ファンの)Coccoさんの相手役なので、今回は自分が演じようとは思わなかった。でもCoccoさんに指名されたのと、今回の撮影は出来るだけ少人数でシンプルにしたかったので、結局僕が出ることになった」と解説。それに対し、松尾は「結構リスキーなところに踏み込んだと思う。僕が『恋の門』を撮ったときに酒井若菜とキスシーンがあって、松尾は酒井若菜とキスをするためにこの映画を作ったと中傷された。もちろん(キスは)嫌なことではなかったけど、そこだけじゃない(笑)」と語ると、「なるほど」と塚本監督。
「Coccoファンの僕が彼女を抱きしめるのは抵抗があります。でもそういうシーンがないと逃げている気がする。気持ち的にはそういうシーンはなしで済ませたいけど、それをしないと、映画が血の通わないものになる」と葛藤を明かすと、松尾が「まさにそこがストーカー映画を乗り越えた部分。今までは(ストーカーであることから)逃げていた気がしたけど、今回始めて『僕はストーカーです』と認めたセリフがあった。俳優・塚本晋也がすごいところにいってるなと思った」と松尾らしい表現で俳優・塚本晋也の進化を指摘してみせた。
「第22回TAMA CINEMA FORUM」は11月24日まで多摩市のパルテノン多摩をメイン会場に開催中