「懸賞生活」のなすび、エベレスト登頂への挑戦を明かす!故郷・福島への熱き思いとは?
1990年代に放映されていた日本テレビ系列の番組「進ぬ!電波少年」のコーナー「電波少年的懸賞生活」に登場して一躍話題を集め、現在は俳優として活動中のなすびが「エベレスト登頂」という壮大な計画に挑戦していることを明かした。
福島出身のなすびは、これまでひっそりと故郷でのボランティア活動を続けてきた。「今年は、4月に警戒区域から外れた南相馬市小高地区にボランティアに行きました。僕は本当に無名ですし、あくまでプライベートでの活動だったので、本名で参加していたんですが、この顔だからすぐにばれてしまいました」と笑う。
震災後から手付かず状態の小高地区でヘドロ出しなどの作業を行う中、「懸賞生活見てたよ!」と住民から掛けられた言葉が胸に染みたというなすびは「こんな僕に、皆さん笑顔を向けてくださって。なすびだ! って言われたときは動揺しましたが、福島の方を笑顔にできたことが、うれしくて仕方がなかったです」とはにかんだ。
「懸賞生活」で脚光を浴びたことで、自分を見失いそうになった時期もあったというなすび。「でもあの番組で、必死に頑張る自分を見て、元気になってくれた人もいる。福島での活動を通して、そう思えるようになりました」と話した彼は、「もう一度やってみようと思うんです。今度はテレビの力を借りず、自分の力で」と真剣なまなざしで語った。
なすびは、どうせやるなら簡単にはできないようなことに挑戦したいという思いから、エベレスト登頂を思いついたという。「必ずやり遂げたいです」という熱い言葉どおり、今年8月末から10月上旬までの約1か月半ネパールに渡り、予行演習としてヒマラヤでの山ごもりも体験した。
「福島は放射能を恐れて出て行く人もいますし、残る人もいます。でもどちらも福島の人であることは変わりない。よく意見を求められますが、僕が言う言葉で、誰かが必ず傷つくのは確かなんです。だからあえて、そこに言及はしたくない」となすびは故郷への複雑な思いを語った。「僕は僕のやり方で、福島の人々に生きる元気、勇気、活力を与えたいと思っています」と意気込みを語った、なすびの思いはきっと福島の人々に届くはずだ。(編集部・森田真帆)
なすび出演の「元禄ヨシワラ心中」は12月2日まで新宿スペース107にて上演中