ベルリン映画祭で拍手喝采の『チチを撮りに』、監督&キャストが現地の興奮を語る!
第63回ベルリン国際映画祭に正式招待された映画『チチを撮りに』の初日舞台あいさつが16日、都内で行われ、柳英里紗、滝藤賢一、今村有希、中野量太監督が登壇してベルリンの興奮を語った。
家族を題材とした自主映画を手掛けてきた中野監督の長編デビュー作である本作は、長年音信不通だった父の最期を写真に撮ってくるよう母から頼まれた姉妹の姿を描く。良質な作品の劇場公開を支援する「SKIPシティDシネマプロジェクト」作品に選ばれ、さらには第63回ベルリン映画祭のティーンエイジャー向け映画を上映するジェネレーション部門14プラスに正式招待される快挙を成し遂げた注目作だ。
満席の劇場で念願の公開初日を迎えた中野監督は「映画学校に行って映画と関わって15年。いい本が書けてプロデューサーを説得するために何とか100万円を工面して、説得して、これが最後という気持ちでやった」と勝負の作品だっただけに感無量の表情。
現地入りしたベルリン映画祭については「1,045人ものお客さんが入る劇場が満員でびびりました。すごく感情を出しながら観てくれるので、その笑い声を聞いていたら普段自分の映画を観て笑ったりはしないのに自分も笑ってしまい、最後のマグロのシーンも大ウケで貴重な経験をさせてもらいました」と満面の笑顔で語った。
また、主人公・姉妹の姉を演じた柳も「1,045席が完売していて本当にうれしかったです」と感激しきりで、今村も「エンドロールまでずっと拍手が続いていて、劇場でわたしも涙が止まらなかったです」と興奮を振り返る。柳はベルリンで買ってきたグミのお土産を配って、観客と喜びを分かち合っていた。(取材・文:中村好伸)
映画『チチを撮りに』は公開中