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震災映画は時期尚早?映画『踊る大捜査線』シリーズのヒットメイカーが作った『遺体 明日への十日間』に賛否両論!

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映画『遺体 明日への十日間』より
映画『遺体 明日への十日間』より - (C) 2013フジテレビジョン

 東日本大震災直後の遺体安置所を舞台にした映画『遺体 明日への十日間』が賛否両論を呼んでいる。震災から間もなく2年が経とうとしている今、本作は時期尚早なのだろうか? 本作のメガホンを取った君塚良一監督の思いに迫った。

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 震災で大きな津波の被害を受けた岩手県釜石市を舞台にした本作は、石井光太のルポルタージュ「遺体 -震災、津波の果てに-」を基に、メディアが伝えきれなかった被災地の真実を描き出すヒューマンドラマ。だが「遺体」という衝撃的なタイトル、遺体安置所を描いている本作については、公開直後からさまざまな意見が上がっている。

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 公開日翌日の2月24日、東北三県を西田敏行と共に回っていた君塚監督は、舞台あいさつで震災発生時は東京にいたことを告白。「津波の映像を見ながら、何かをしなければいけないという思いの中で、仕事に追われて何もできない自分に何とも言えない後ろめたさを感じていました」。そんなときに出会ったのが、石井のルポルタージュだった。「同じ日本で、こんなにもつらい思いをされていた方々がいたことに改めて驚き、この事実を何としてでも伝えたいと心から思いました」……そうして君塚監督は脚本を書き、映画化することを決意したという。

 主演の西田はオファー当初、映画化に不安を持ったそう。「まだ早すぎるのではないかという気持ちや、ご遺族の気持ちを考えると、映画にすることにどうしても迷いがありました」。だが、そんな西田の思いを使命感へと変えたのもまた、君塚監督の被災地への思いだったという。「君塚監督の、この真実をどうしても伝えなければいけないんです、という真っすぐな思いを聞いて出演を決意しました」と西田は語る。

 これまで映画『踊る大捜査線』シリーズなど多くのエンターテインメント作品を手掛け、ヒットメーカーとして知られる君塚監督だが、本作の収益金は被災地に寄付される予定だ。「大切な人を突然失った人の悲しみは、これから何年たっても、一生消えることはないでしょう。風化させてはいけないと思いながらも、どこかで震災の悲劇を忘れてしまいがちになってしまっている自分自身を律するためにこの作品を作りました」と語った監督は、被災地での舞台あいさつ当日も、出口で観客一人一人に「ありがとうございました」と声を掛け続けた。

 時期尚早という意見がある一方、震災からわずか2年しか経っていないにもかかわわらず、被災地とマスメディア、被災地と非・被災地との間にある温度差が広がりつつあることも事実。間もなく迎える、震災から2度目の3月11日を前に、いま一度震災の事実を見つめ直してみてはいかがだろうか。(編集部・森田真帆)

映画『遺体 明日への十日間』は公開中

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