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日本統治下時代の抗日暴動を描いた『セデック・バレ』、日本公開までの長い道のり

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『セデック・バレ 第一部 太陽旗』『セデック・バレ 第二部 虹の橋』映画美術監督・種田陽平
『セデック・バレ 第一部 太陽旗』『セデック・バレ 第二部 虹の橋』映画美術監督・種田陽平

 台湾映画『セデック・バレ 第一部 太陽旗』『セデック・バレ 第二部 虹の橋』(共に公開中)のプロダクションデザインを手掛けた映画美術監督・種田陽平がインタビューに応じた。

映画『セデック・バレ 第一部 太陽旗』フォトギャラリー

 同作品は2011年に台湾で記録的ヒットとなるも、日本統治下時代の抗日暴動を描いたこともあり日本公開まで時間を要したが、種田は「台湾と同じ完全版での公開で良かった」と声を弾ませた。

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 種田が台湾映画に参加するのは、スー・チャオピン監督『シルク』(2006)に続いて2度目。しかし今回は日本統治下時代の町並みに加え、原住民セデック族の6つの社(集落)を構築するため、種田は約2年の歳月を費やしたという。

 「台湾には日本の建造物も文化も残っているが職人がいないそうで、日本から美術部や塗装など15人以上のスタッフを連れていきました。更地に山を作る所から始まって、まるで黒澤明作品のようなスケール。でも映画の設計に合わせてランドスケープから造れたのは面白かった。スタッフには“セデック族の集落は『七人の侍』、日本人の町は『用心棒』だと思えば、1本の映画が数本分の体験が出来るぞ”と鼓舞しました」。

 しかしクランクイン直前の2009年に起こった八八水害でロケ地変更を余儀なくされ、撮影中は資金難で中断したことも。しかしウェイ・ダーション監督は「借金をしてでも撮り続ける」と自ら資金を工面して完成まで漕ぎ着けたという。

 「『 ザ・フラワーズ・オブ・ウォー(原題) / The Flowers of War』で仕事をしたチャン・イーモウ監督が一言で皆を動かしてしまう黒澤明監督タイプなら、ダーション監督は自ら動く溝口健二監督タイプ。ダーション監督の執念が作品を引っ張った。良い指揮官だと想いますよ」

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 本作の後も種田は、キアヌ・リーブス初監督作の米中合作映画『 マン・オブ・タイ・チ(原題)/ Man of Tai Chi』、ジョン・ウー監督×福山雅治のアサヒスーパードライの新CMとアジアを舞台にした作品が続く。「(国籍を超えて)現場のスタッフ同士は繋がってますよ。特に『セデック・バレ』の時は若い美術スタッフへの指導という制作側の意向も入っていたと思います。この仕事を経て、台湾の美術スタッフはかなり経験値が高くなったので、今後の台湾映画界を牽引していくと思いますよ」と“種田学校“の生徒たちの今後に目を細めた。

映画『セデック・バレ 第一部 太陽旗』『セデック・バレ 第二部 虹の橋』は公開中

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