渡辺謙、時間延長でしゃべり倒し!『許されざる者』本音トークで女子と大盛り上がり!
渡辺謙が12日、西新橋のワーナー・ブラザース試写室で行われた映画『許されざる者』女性限定試写会に小池栄子、李相日監督と共に来場し、およそ50人の女性客から質問を受け付けた。
クリント・イーストウッドの傑作西部劇をリメイクした本作の上映後、エモーショナルで壮絶なドラマにぼう然とした様子を見せていた女性客。そんな会場の雰囲気を察した渡辺は「この映画を観ると、しばらくは何もしゃべりたくないし、(余韻に浸るために)何も聞きたくないでしょう」とジョークを交えて観客に気さくに呼び掛けた。
本作の舞台は明治維新期の北海道。仲間の女郎の顔に傷を負わせた男たちに対して、女郎たちが復讐(ふくしゅう)を企てるところから物語は始まる。女性にとってもハードな描写が続く本作について「映画の途中で、この映画ダメ、観てられないと思った人はいますか?」という渡辺の質問には半分近くが挙手。その意見に「そうだよね」と理解を示しつつも、「見終わって、わたしのタイプじゃないけど観て良かったと思った人は?」と続けると、やはり同数が挙手。そんな観客の反応に渡辺も「うれしいです」としみじみ笑顔を見せた。
一方、小池は本作で酒場に身を置く女郎・お梶を好演している。「もう飽き飽きだね、死んだふりして生きるのは」というお梶のセリフに共感する女性も多かったようだが、小池は「当時の女性の扱われ方がかなりヘビーで衝撃的。やっている方はしんどいですよね。気持ちが削られていくんですが、哀れな人たちだけに映るのは嫌だなと思って演じました」と述懐した。
それを踏まえて、渡辺が「この映画の登場人物には感情移入できないよね。でも彼らの孤独とか、つらさ、悲しさって何だろうかと。そういうのがいちいち刺さってくるんだよね、この人の作品は」と李監督を指さすと、「映画の中に動機なんかがあれば感情移入がしやすくなるんですけど、実はそんなものがなくても届くものは届くんでしょうね。そういう意味では今の流れに逆らっている作品ですけど、そういう作品にしちゃいましたからね」と返す李監督。その後も3人と女性客との興味深いやりとりは続き、予定終了時間から30分以上もオーバーし、大盛況の中で幕を閉じた。(取材・文:壬生智裕)
映画『許されざる者』は9月13日より全国公開