コミカルな要素が一つもない!全く新しいキョンシー映画が誕生
第26回東京国際映画祭
第26回東京国際映画祭初日の17日、1980年代のキョンシー映画にオマージュをささげた映画『リゴル・モルティス/死後硬直』のトークイベントがTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、監督のジュノ・マックとプロデューサーの清水崇が本作に込めた熱い思いを語った。
『リゴル・モルティス/死後硬直』が出品されたのは新部門「アジアの未来」。アジア(日本、中東地域を含む)で製作された新鋭監督の処女作または2本目の長編作品を対象にしたコンペティション部門だ。そのオープニング作品に選出された本作は、香港の歌手・俳優であるマックが初監督し、『呪怨』の清水がプロデュースしたホラー作品。家族に見放された落ち目の俳優が、化け物が出るとうわさされる集合住宅に入居し、さまざまな恐怖に遭遇するさまを描く。
本作を製作した経緯についてマック監督は「わたしの子ども時代(1980年代)は香港映画のまさに黄金期。(『霊幻道士』シリーズなどの)キョンシー映画はその象徴だった。だから、大好きなキョンシーへの愛を込めて、自分のビジョンを実現しようと思ったんだ」と説明。「本作には、チン・シュウホウをはじめ『霊幻道士』ゆかりの俳優陣にも出演していただいた。本作はリメイクでも続編でもないけれど、オリジナルメンバーが生きているうちに作りたかった」とキョンシー映画への愛を強調した。
これに対して清水は「僕は当初、『霊幻道士』のリメイクだって聞いていたんだけれど、観たら全然違う。コミカルな要素が一つもない。笑えないキョンシー映画ってどうなの? って正直思いました」とコメント。しかし、マックが持つビジョンを聞くとすんなり納得できたといい「これは退廃美にあふれた全く新しいドラマとしてとても価値がある」とその意欲を評価した。
また、清水は「僕が直接アドバイスしたのはサウンドデザインだけ」と明かすと、「でも、『呪怨』に出ているお化けみたいなものがたくさん出てきたのには驚いた」と少しうれしそうな表情を浮かべていた。(取材・文:坂田正樹)
第26回東京国際映画祭は10月25日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催