映画を彩る汚職デカたち!反面教師にしたい人間のクズが集結?-映画秘宝
映画『トレインスポッティング』の原作者、アーヴィン・ウェルシュの小説を映画化した、汚職刑事が主人公のクライムコメディー『フィルス』が公開される。三度の飯より薬と酒が好き、ジェームズ・マカヴォイ演じる下劣極まりない刑事を追った本作の公開に合わせ、映画専門雑誌「映画秘宝」では、「汚職デカ・ムービー10選」と題して、映画を彩る汚職刑事たちを特集している。
ジェームズ演じる刑事は、酒と薬、売春、不倫、不正申告、あげく補導した未成年女子にまで手を出す、何でもござれの人間のクズ。しかし特集に挙げられた刑事たちも負けてはいない。『犬、走る DOG RACE』で岸谷五朗演じた刑事は、薬をキメて歌舞伎町で大暴れ。『十階のモスキート』で内田裕也演じる警察官は、全くむくわれない人生に反抗するように、ポイ捨てやギャンブルから始まり、ついには郵便局強盗で拳銃を乱射する。
そんな汚職デカ映画の醍醐味の一つが、彼らがその欲深さから後戻りできない事態に追いやられ、テンパっていく様子。『蜘蛛女』のゲイリー・オールドマンは、情報提供をしていたギャングの女に手を出したことをきっかけに足の指を含め全てを失い、『ランパート 汚れた刑事』のウディ・ハレルソンは、容疑者を徹底的にボコる姿を撮影され四面楚歌の状況に追い込まれる。誰しもが持つ欲望を遠慮なく体現するかのような汚職デカたちが、えもいわれぬ魅力を放っているのは確か。だがここはしっかり、彼らの行動を人生の反面教師としてもらいたい。
さらに同誌では、美少女クロエ・グレース・モレッツ主演映画『キャリー』公開を記念した、小説家スティーヴン・キング特集も掲載。数あるキング原作映画を、ビデオスルー作品に至るまで紹介するのはもちろん、風間賢二氏がキング小説の本質を解き明かす大長編キング論など、圧巻の情報量となっており、キング作品の熱狂的ファンにもオススメの特集となっている。
また連載企画では、江頭2:50があの全裸騒動について、その裏側を告白。某ワイドショー司会者の発言にブチ切れたエピソードを交えながら、笑いに懸ける決意を熱く語っており、こちらもファン必読の内容となっている。(編集部・入倉功一)
映画専門雑誌「映画秘宝」12月号は発売中 洋泉社刊 1,050円(税込み)