坂井真紀、富士山での過酷ロケに恐怖 井浦新は「楽しかった」
直木賞作家・角田光代原作のWOWOW連続ドラマW「かなたの子」の完成披露試写会が19日、都内で行われ、坂井真紀、井浦新、大森立嗣監督が出席。世界遺産登録後、テレビドラマとしては初の富士山ロケを敢行した本作の撮影を語った。
4本ある富士山の登山ルートのうち、頂上までの標高差が最大で、最も過酷とされる御殿場ルートで行われた本作のロケ。大森監督は「9月に行ったんですけど、(キャストの)永瀬正敏君が来たとたん台風が来て、彼が去ったとたん台風が去った」と裏話を明かし、「全員小さな小屋に閉じ込められて、中にはメイクをする人がいたり、けんかをする人がいたりでぐちゃぐちゃだった。20年映画をやってきて一番きつかった」と振り返った。
坂井は「毎日登っては下りるんですけど、登山経験のある監督は下りるのが速くて感心しました」と笑みを見せたが、台風の中での撮影は過酷だったようで、「正直、自然は怖いなって思いました。途中何回か撮影が中止になったけど、自分の命は自分で守らないといけないって思ったほど怖かった。風に持っていかれたら富士山の下まで転がっていくんじゃないかと思いました」と告白。一方、井浦は「過酷だけど楽しかった。登ってみないとわからないこともたくさんあって、霊峰富士といわれる由縁がわかった」と感想を述べていた。
本作は、1泊2日の富士登山ツアーに参加した人たちの心の闇にスポットを当て、過去に闇を抱えた人々はどうすれば前を向いて生きていけるのかを描くヒューマンドラマ。テーマとなる「過去の闇」に絡め、「トラウマになっていることは?」と質問が投げ掛けられると、坂井は「小学生のとき、プールの着替えでパンツをなくして、1時間くらいパンツをはかずに過ごしたことかな。もうなくせないと思って、その後パンツの置き場に改めて慎重になりました」と苦笑いを浮かべながら話していた。(取材・文:名鹿祥史)
WOWOW連続ドラマW「かなたの子」は12月1日より毎週日曜夜10時放送(全4話)