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『アメリカン・ハッスル』のモデル、実際のマフィアに殺されかけた!?

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主人公アーヴィンを演じたクリスチャン・ベイル(左)とメル・ワインバーグ(右)
主人公アーヴィンを演じたクリスチャン・ベイル(左)とメル・ワインバーグ(右) - (C)2013CTMG

 本年度アカデミー賞の最有力候補とされる映画『アメリカン・ハッスル』で主人公のモデルとなった人物が、FBIのオトリ捜査に協力した自らの壮絶な経験を激白した。

映画『アメリカン・ハッスル』フォトギャラリー

 FBIに逮捕された詐欺師が自由と引き換えにオトリ捜査への協力を強いられ、カジノ利権に群がる政治家やマフィアをわなにハメるというデヴィッド・O・ラッセル監督の最新作『アメリカン・ハッスル』。1970年代後半にアメリカで実際に起きた汚職スキャンダル「アブスキャム事件」を題材にした本作で、主人公アーヴィンのモデルとなったのが、天才とまで呼ばれた実在の詐欺師メル・ワインバーグだ。

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 現在フロリダ州に暮らす89歳のメルによると、オトリ捜査に協力したのは愛人イヴリンのためだったらしい。「彼女に迷惑を掛けちまった。だから、俺はFBIに協力することを決めたんだよ」と語るメル。彼女をモデルにした劇中のシドニー(エイミー・アダムス)は詐欺の心強い相棒だが、当の本人は実は詐欺について何も知らなかったのだという。

 また、実際のオトリ捜査は劇中で描かれる以上に過酷なものだったようだ。目の前で捜査官がマフィアに殺されかけ、メルの説得で命拾いをしたこともあった。また、彼自身もマフィアによって窓につるし上げられ、ベッドに銃弾を撃ち込まれるという絶体絶命の危機を経験した。「捜査のプレッシャーは相当なものだった」と語る彼によれば、当時の捜査官の多くが離婚してしまったそうだ。

 アブスキャム事件後は詐欺から足を洗い、高級ブランドのルイ・ヴィトンで偽物を見分ける仕事に携わっていたというメル。『アメリカン・ハッスル』でアーヴィンを演じるクリスチャン・ベイルは、自宅に彼を招いて3日間一緒に過ごし、役づくりの参考にしたことを明らかにしている。事件当時のメルのルックスを再現した、九一分けの衝撃ヘアと見事なメタボ体形はその成果。先日第71回ゴールデン・グローブ賞では3部門を制した本作だが、今後はアカデミー賞での動向に要注目だ。(なかざわひでゆき)

映画『アメリカン・ハッスル』は、1月31日よりTOHOシネマズみゆき座ほかにて全国公開

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