ゆうばり映画祭グランプリ決定!クローン人間との同棲描くコメディーが受賞!
「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014」の授賞式が2日、北海道夕張市のアディーレ会館ゆうばりで行われ、東京都在住の竹葉リサ監督による映画『さまよう小指』がオフシアター・コンペティション部門グランプリに輝いた。若手映画人の登竜門として、多くの才能を発掘してきた同部門。今年は11作品がノミネートされ、審査委員長を務める根岸吉太郎監督を筆頭に、俳優の斎藤工、女優のしいなえいひ、映画評論家のトム・メス、韓国のNAFFマネージングディレクターのジョンスク・トーマス・ナムら5人によって審査が行われた。
女性監督がグランプリ!ゆうばり映画祭クロージングフォトギャラリー
グランプリに選ばれた『さまよう小指』は、5歳から片思いしている相手の小指からクローン人間を作り出し、そのクローンと同棲(どうせい)を始める女性の姿を描いたコメディー。我妻三輪子、小澤亮太、かでなれおん、仁科貴、津田寛治らが出演し、本年度ロッテルダム映画祭にも招待されている。
根岸監督から名前を読み上げられた竹葉監督は、驚いた様子を見せながらも、「絶対に取れないと思っていたので……。ふるえる~!」と上気した声。さらに「自分は副賞とか副委員長とか、そういうキャラなので、初めてこんな(フィギュアスケート金メダルの)羽生結弦くんのような結果がとれてうれしいです」とコメント。トロフィーを手に飛び跳ねてみせるなど、喜びを体中で表現していた。
今から5~6年ほど前にゆうばり映画祭に遊びにきたことがきっかけで作品を作ることになったという竹葉監督。それからも短編部門などで映画を上映しており「スタッフの大半が夕張で出会った人。なので、映画祭にもお礼を言いたいです」と笑顔を見せた。根岸監督はグランプリ受賞の理由を「なかなか発想できないユニークな作品だったということ。竹葉ワールドの次の作品を観てみたいし、どういう風に育つか楽しみ」と期待を寄せていた。
「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014」は、本日16時半の時点で1万2,230人を動員。今年はゲストや作品の充実に加え、好天に恵まれたこともあり、最終的には昨年の動員を大幅に上回ることが予想される。明日のグランプリ作品上映をもって映画祭は幕を閉じる。(取材・文:壬生智裕)
「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014」コンペティション部門の受賞結果は以下の通り
<オフシアター・コンペティション部門>
スカパー!映画チャンネル賞:『死ななくて』(ファン・チョルミン監督)
シネガーアワード:『さまよう小指』(竹葉リサ監督)
北海道知事賞:『リュウグウノツカイ』(ウエダアツシ監督)
審査員特別賞『女体銃 ガン・ウーマン』(光武蔵人監督)
グランプリ:『さまよう小指』(竹葉リサ監督)
<インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門>
グランプリ:『JUNK HEAD 1』(堀貴秀監督)
審査員特別賞:『貧血』(加藤麻矢監督)
優秀芸術賞『サイクロイド』(黒木智輝監督)
優秀芸術賞『イナーシャル・ラブ-隋性の愛-』(セザール・エステバン・アレンダ、ジョゼ・エステバン・アレンダ監督)
優秀芸術賞『肛門的重苦 Ketsujiru Juke』(冠木佐和子監督)