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紀里谷和明監督、愛弟子の経験を通して若手作家にエール

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紀里谷和明監督とサキノジュンヤ監督
紀里谷和明監督とサキノジュンヤ監督

 俳優の濱田岳主演の日米合作映画『サケボム』公開記念トークショーが15日、西麻布の「CINEMA LOUNGE 100」で行われ、サキノジュンヤ監督、ジャーナリストの佐々木俊尚、『CASSHERN』などで知られる映画監督の紀里谷和明が、映画製作に関する熱いトークを繰り広げた。

映画『サケボム』フォトギャラリー

 ハリウッドを拠点に活動するサキノ監督について紀里谷は「2004年にドリームワークスに買われた『CASSHERN』の再編集をアメリカで行った時にアシスタントで入ってくれたのが彼。それ以来、ずっと僕のサポートをしてくれた」と説明。「そんな彼が長編映画デビュー作を発表するということで、うれしくて駆けつけました」と笑顔を見せる。一方のサキノ監督は「紀里谷さんと一緒にいて勉強になるのが挑戦する姿勢。周りから何を言われようが、自分が面白いと思ったものに突っ込んでいく姿勢を学んだ」と尊敬のまなざしを向けた。

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 『サケボム』は、日本の純朴な青年(濱田)が、理由も告げずに突然帰国した恋人を探すために渡ったアメリカで繰り広げる珍道中を描くロードムービー。紀里谷から「映画を作りたい若者のために、どうやってこの映画を作ったのか教えてよ」と促されたサキノ監督は「最初に書いた脚本をそのまま映画化すると1億円の予算が必要になる。だが、新人監督では1億円は集まらない」と切り出した。

 そこで予算が掛かりそうなシーンやキャラクター、アクションを脚本から削り、およそ4分の1まで製作費を抑えたというサキノ監督。さらに「そこまでいくと(人員に)ギャラがほとんど払えない。最終的には映画学校に行っていた友達が協力してくれて完成させた」と述懐。結果として本作は、海外配給、および海外での動画配信が決定し、サキノ監督は「新人にもチャンスはあるんですよ」としみじみ。

 それを受けた紀里谷は「彼はまず脚本を書いて、そこからお金を集めた。そして従来の日本の映画業界の発想にとらわれずに、海外にも配給権を売り、(劇場上映だけでなく)動画配信も視野に入れた。そうすれば一応は映画監督としてのスタートラインに立てるんだという事実を、若い子にも知ってもらいたい」と力強く訴え掛け、若い才能にエールを送った。(取材・文:壬生智裕)

映画『サケボム』は5月24日より新宿シネマカリテほかにて全国公開

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