佐々木蔵之介と深田恭子が「現代にも通じる物語」と語る異色時代劇とは
江戸時代の参勤交代を題材に、幕府から無理難題を押し付けられた弱小貧乏藩の藩士たちが奮闘する姿を描いた異色時代劇『超高速!参勤交代』で、主人公の藩主・内藤政醇(まさあつ)を演じた佐々木蔵之介と、紅一点のヒロイン・お咲を演じた深田恭子が、ユニークな作品の魅力を語った。
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佐々木が演じる内藤政醇は、現在の福島県いわき市にあたる磐城国湯長谷藩の藩主であり、お人よしだが愛すべきキャラクターの殿様。そんな政醇と藩士たちが、本来は1年おきの参勤交代を終えたばかりにもかかわらず突然幕府から5日以内に参勤せよと命じられ、時間も金も人も圧倒的に足りないまま、どうにか難題をクリアしようとする物語が描かれる。
「意外と現代にも通じるお話ですよね」という佐々木の言葉にうなずかされる。「取引先から急に“5日以内にプレゼンをまとめろ”と言われるとか。そんなの無理やと思っても、知恵を絞って工夫して裏技を使ってでも、なんとかするしかないわけでしょ」とも。
道中襲うさまざまな危機を乗り越えつつ、江戸を目指す政醇たち。そんな中、宿場町の旅籠(はたご)で政醇と出会う飯盛り女のお咲が、深田の役どころだ。「お咲は不幸な生い立ちで、すごく口汚い娘なんですけど、蔵之介さんとお芝居していると、うっかり政醇さんの優しさにすぐに持っていかれそうになってしまうので、もっとドライでいなきゃダメだと思って苦労しました」と、深田は佐々木との共演シーンについて語る。
まるで正反対の境遇だった政醇とお咲は、やがて互いに惹(ひ)かれ合っていく。二人の恋の行方と、超高速の参勤交代の結末は……? 佐々木は「時代劇ファンの人はもちろん、時代劇を見慣れていない若い世代の人たちにも、幅広く楽しんでもらえる作品になったんじゃないかと思います」と胸を張る。「何があっても困難に立ち向かっていく男の人たちの姿がすてきでした」と、深田もほほ笑む。
奇抜な着想の物語ながら、意外にも正統派の娯楽時代劇として盛りだくさんの内容が楽しめる本作。佐々木と深田をはじめとする多くの実力派俳優たちの豪華競演が見逃せない。(取材・文:進藤良彦)
映画『超高速!参勤交代』は6月21日より全国公開