6歳の子役が12年間同じ役を演じ続けた話題作、11月日本公開!
映画『ビフォア』シリーズのリチャード・リンクレイター監督最新作『Boyhood』の邦題が『6才のボクが、大人になるまで。』に決まり、11月より日本公開されることがわかった。6歳の少年メイソンと母、父、姉の12年間の変遷の物語を同じ主要キャストで12年間にわたって撮り続けた画期的なドラマである本作で、リンクレイター監督は『恋人までの距離(ディスタンス)』(1995)以来となるベルリン国際映画祭監督賞に輝いている。
主人公は、テキサス州に住む6歳の少年メイソン。大学で学ぶと決めた母についてヒューストンに転居した彼は、そこで多感な思春期を過ごす。アラスカから戻って来た父との再会、母の再婚、義父の暴力、そして初恋。周囲の環境の変化に時に耐え、時に柔軟に対応しながら、メイソンは静かに子供時代を卒業していく……。
あどけない少年からりりしい青年へと成長していくメイソンを演じたのは、オーディションで見いだされた逸材エラー・コルトレーン。『トゥルー・ロマンス』のパトリシア・アークエット、『ビフォア』シリーズのイーサン・ホーク、リンクレイター監督のまな娘であるローレライ・リンクレーターもそれぞれがメイソンの母、父、姉にふんし、12年の時が及ぼす変化を演じ切っている。中でも子育てと重労働に疲れ果てたシングルマザーが、大学で教壇に立つ自立した女性へと生まれ変わっていくさまを熱演したパトリシアは、本作が作品賞と監督賞を受賞したシアトル国際映画祭において主演女優賞を受賞している。
同じキャストを12年にわたって撮り続けるという斬新な製作スタイルで少年の成長の過程を画面に焼き付けていく一方、劇中に出てくるゲーム機や「ハリー・ポッター」シリーズの巻数などサブカルチャーに託して時の流れを物語ったリンクレイター監督の演出は見事の一言。アメリカの大手映画批評サイトRotten Tomatoesで99パーセントという圧倒的な支持を受けた本作は、まさに映画ファン必見の作品となっている。(編集部・市川遥)
映画『6才のボクが、大人になるまで。』は11月よりTOHOシネマズシャンテほか全国公開