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『風立ちぬ』を押しのけベネチア映画祭金獅子賞!伊ドキュメンタリーを山田五郎が称賛

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『風立ちぬ』を押しのけベネチア映画祭金獅子賞を受賞した『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』を語る山田五郎
『風立ちぬ』を押しのけベネチア映画祭金獅子賞を受賞した『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』を語る山田五郎

 第70回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で宮崎駿監督の最後の長編映画『風立ちぬ』を押しのけ、ドキュメンタリー映画として初めて金獅子賞に輝いた『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』のトークイベントが12日、都内で行われ、評論家の山田五郎とコラムニストの泉麻人が出席した。

映画『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』フォトギャラリー

 本作は、ローマを囲む高速道路GRA周辺地域に住む人々の暮らしを叙情的に映し出したドキュメンタリー映画。山田は「最初は『ドキュメンタリーかよ、きついな。最後まで観られるかな』って思っていたけど、それが観られた。画がきれいで、光の加減とか撮り方とか、ヨーロッパの映画だけあってセンスがよかった」と称賛する。

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 ローマを囲む高速道路GRAは日本でいえば「16号線」だといい、その理由について「中核都市が点在していて、生活の全てをイオンでまかなえるような、マイルドヤンキーとか、そういう人が住んでいる場所」と説明した山田。「退廃した、ある意味終わっているような感じが漂っていて、(社会から)忘れられたような人たちがいて切ない。それがまたきれいなものに見えてくるから困っちゃう」「淡々とした、バラのピースが置かれていく。それをつなぐとだんだん一つの輪っかになっていく。そんな映画だった」と本作の捉えどころのない魅力を語った。

 泉も「コロッセオとか観光名所の出てこないローマの映画って初めて」と切り出すと、「ローマの外側を描いているということで、香港なんかもそうだけど、街の中心にいるより、端から見るほうが意外と旅情を感じられたりする。そういう映画だった。日本の農漁村を思わせるような場所も出てきてよかった」と続けていた。(取材・文:名鹿祥史)

映画『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』は8月16日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開

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