故ジェームズ・ガンドルフィーニさんの遺作について主演女優と原作者が明かす!
ジェームズ・ガンドルフィーニさんの遺作となった話題作『ザ・ドロップ(原題) / The Drop』について、主演女優ノオミ・ラパス、作家兼脚本家デニス・ルヘインが語った。
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本作は、いとこのマーヴ(ジェームズ・ガンドルフィーニ)が経営する酒場で働くバーテンダーのボブ(トム・ハーディ)は、ギャングの不正な闇金を酒場で預かっていたが、ある日酒場に強盗が入り闇金を奪われたことで、危険な立場に追い込まれていくという犯罪ドラマ。ノオミはボブと恋仲になるナディア役を演じている。映画『ミスティック・リバー』の原作者デニス・ルヘインの短編「アニマル・レスキュー」を、映画『闇を生きる男』のミヒャエル・R・ロスカムが映画化した。
デニスが今作の短編を脚色した経緯について「過去の映画では原作だけを手掛け、コンサルタント的な役割で関わっただけで、脚本家としてはどの部分を省いて映画化すれば良いかわからなかった。でもその後テレビシリーズに関わったことで、今回短編を脚色する気になった」と答えた。だが、その短編もかなり変更したようで、「まずトムがキャストされた瞬間から、彼は静止していても、目を通して何かを伝えることができる俳優であるため、トムのせりふを30%くらい省き、逆によく話をするイメージのあるジェームズは20%くらいせりふを増やした」と明かした。
今作が遺作となったジェームズさんとの共演についてノオミは「普段のわたしは、それほどシャイではないけれど、ジェームズの前ではシャイになっていた。初めてバーで彼に会った時に握手したら、彼の手の大きさはわたしの3倍くらいあったわ。彼は体格だけでなく、強烈なカリスマ性も持っていて、横に居たわたしと監督は小人みたいだった」と答え、一方デニスは「僕は今作の後に別の仕事に関わったが、彼にはプレミアで会うことができると思っていた。でも彼は亡くなって会うことはできなかった」と悔やんだ。
今作を執筆する際意識した点について、デニスは「シドニー・ルメット作品などの70年代の雰囲気を意識している。でもその構成は、 最初の30分は映画内で何が起きているかしっかりつかみきれなくて、ストーリーもジグザグに進んでいく。最終的には一つの線に結ばれるが、それまで観客はストーリーについていかなければならないんだ」と語った。
映画は、キャラクター重視の構成で描かれ、トムとジェームズさんの夢のタッグが注目の作品。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)