吸血鬼役がハマるスターの条件とは?
映画にテレビに根強い人気を保つヴァンパイア物だが、古今の名作から吸血鬼役にハマる男性スターの条件を検証してみた。
まず、映画やドラマにおける吸血鬼には大別してノスフェラトゥ型とドラキュラ型の2種類が存在する。前者はドイツの傑作サイレント映画『吸血鬼ノスフェラトゥ』を源流とする醜悪なモンスターで、特殊メイクにより役者の素顔が原型をとどめなくなることが多い。今回は、あくまでもスターの個性が色濃く反映され、なおかつ圧倒的に作品数の多いドラキュラ型に焦点を絞りたい。
ドラキュラ映画の元祖『魔人ドラキュラ』で全米の女性をとりこにしたベラ・ルゴシや、『吸血鬼ドラキュラ』などヴァンパイア俳優として一世を風靡(ふうび)したクリストファー・リー。昔から吸血鬼を演じる男性スターには、貴族的な気品と野獣的な残酷の二面性を兼ね備えたイケメンが多い。
『ドラキュラZERO』のルーク・エヴァンスもまたしかり。血を吸うという行為にはセクシャルな要素も含まれるため、やはり吸血鬼を演じるスターには女性を惑わせる美しさやフェロモンが必要だ。10キロ以上の減量で耽美的な吸血鬼に変身した『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のトム・クルーズなどはその真骨頂だろう。
また、暗闇の世界に生きるヴァンパイアには孤独や悲しみが似合う。しかも、基本的に太陽が苦手なので顔色も良くない。いわばダークな貴公子。『トワイライト』シリーズでブレイクしたロバート・パティンソンがまさにそれだ。『ダーク・シャドウ』のジョニー・デップは、そうした吸血鬼像のカリカチュアとも言える。
そう考えてみると、現在全米で大ヒット中のテレビドラマ「オリジナルズ」で主人公の吸血鬼クラウスを演じているジョセフ・モーガンは、従来の吸血鬼たちの魅力をくまなく網羅(もうら)しているといえよう。貴族的なオーラと野獣的な肉食性を備え、残虐さの裏に孤独で繊細な素顔をのぞかせるイケメン。まさに、今最も吸血鬼役にハマる男性スターの一人かもしれない。(なかざわひでゆき)
「オリジナルズ<ファースト・シーズン>」はワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメントより11月12日DVDレンタル・オンデマンド配信開始
DVDコンプリート・ボックス(税抜き:1万4,300円)は11月26日、ブルーレイコンプリート・ボックス(税抜き:1万6,200円)は12月17日発売