ゴジラ、誕生日を迎え還暦に!世田谷区から感謝状
今年で生誕60周年を迎えるゴジラが3日、世田谷区成城の東宝スタジオで行われた「東宝スタジオ展」プレイベントに来場、長年の文化的功労をたたえられ、世田谷区長から感謝状を授与された。
1954年11月3日に公開された映画『ゴジラ』。世田谷の東宝スタジオを拠点に撮影されてきたゴジラは、まさに世田谷生まれ、世田谷育ち。そしてこの日、還暦の誕生日を迎えたゴジラの長年にわたる文化功労をたたえ、世田谷区より表彰状が授与されることとなった。司会者から「ゴジラさーん、お誕生日おめでとうございまーす!」と呼びかけられると、ゴジラは歓喜の雄たけび。会場に集まったファンからも熱い拍手を受けていた。
この日のプレゼンターは保坂展人世田谷区長。「あなたは世田谷区に生まれ、60年という長きにわたり、日本国内のみならず世界中から愛され続けてきました。あなたの存在と活躍は、日本独自の特撮映画や映像技術の発展に寄与し、映画文化を通してあらゆる世代の人に感動と衝撃を与えてきました。ここにその文化への貢献をたたえ、表彰するとともに、今後も世田谷区出身の誇りを持ち、世界で活躍し続けることを期待します」と読み上げると、賞状を持つことのできないゴジラの代理として出席した東宝の市川南取締役に感謝状を授与。
保坂区長が「当初は住民票をと考えましたが、ゴジラがあまりにも偉大すぎるので、感謝状をお渡しすることにしました」と切り出すと、市川取締役は「ゴジラに成り代わりましてお礼を申し上げます」と返答するなど、なごやかな雰囲気で行われたこの日の授与式。そしてイベント終了後、会場に集まった多くのファンとともに記念撮影会を実施したゴジラ。還暦の誕生日にファンとの交流を楽しんだようだ。
今回の授賞式は、来年の2月から始まる「東宝スタジオ展」のプレイベントを兼ねて実施。同展覧会では、1954年に公開された『ゴジラ』『七人の侍』という2本の映画に注目し、ミニチュアを駆使した特撮技術と、京都から脱皮した東京の時代劇の完成という観点から創作の秘密を探る。ほかにも稲垣浩、市川崑、岡本喜八らによる絵コンテ、中古智、村木与四郎といった美術監督によるセットのデザイン画など、数多くの資料が展示される予定となっている。(取材・文:壬生智裕)
「東宝スタジオ展」は2015年2月21日から4月19日まで世田谷美術館にて開催予定