ももクロ×「踊る」本広監督、平田オリザ「幕が上がる」映画&舞台化
“ももクロ”の愛称でおなじみのアイドルグループ・ももいろクローバーZが、「踊る大捜査線」シリーズの本広克行監督によって平田オリザの同名小説を映画化、舞台化する『幕が上がる』で主演を務めることが明らかになった。ももクロのメンバーたちは、弱小演劇部に所属する女子高校生を演じており、百田夏菜子は「撮影が始まってからはわたしたちはただただ必死!(笑)」と懸命に挑んだ撮影を振り返っている。
1995年に「東京ノート」で第39回岸田國士戯曲賞を受賞するなど、日本演劇界でもっとも注目される劇作家の1人である平田の青春小説を基にした本作は、弱小演劇部に所属する女子高校生が、学生演劇の女王であった新任教師との出会いをきっかけに、全国大会を目指していくさまを描いている。映画版では、新任教師・吉岡美佐子役を黒木華が務めるほか、ムロツヨシ、清水ミチコ、志賀廣太郎ら個性的なキャストが名を連ねている。
ももクロを起用した理由について本広監督は「原作の登場人物がどうしてもメンバーとダブってしまい、オリザさんに『ももクロZメンバーをイメージして書いたのではないか』と聞いてしまうほどキャラクターが似ていました」とコメント。一方、「正直言って、ももクロさんが主演と決まったときには、期待と不安と半々でした。彼女たちの『演技』は観たことがなかったからです」と切り出した平田は、数回の演劇ワークショップをメンバーに行ったそうで、「本格的な舞台の経験はないので、身体がぶれやすかったり、演技に個々の癖が出てしまうことが多かったのですが、たいへん勘のいい子たちなので、すぐに演技のコツをつかんでいったようです」とその成長を絶賛している。
また、劇中で演出家役を務めるため、ほかのメンバーに演出を付ける体験をした百田は、「オリザさんが教えてくれたのはお芝居の根本の部分」と説明。「お芝居はこうでなくちゃダメとかない。アイドルがこうでなくちゃってのもない。そのとき、ジャンルを通り越してなにか新しいものが作れる気がしました!」と感激した様子を見せた。(編集部・吉田唯)
映画『幕が上がる』は2015年2月28日より新宿バルト9ほかにて全国公開
舞台「幕が上がる」は2015年5月公演予定