「ムーミン」は色も音も手作り!原作者に敬意表す
世界中で愛されている人気キャラクター、ムーミンを生み出したトーベ・ヤンソンさんの生誕100周年を記念して製作された『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』が来年2月13日に公開される。母国フィンランドで製作された初めての長編手描きアニメーションとしても注目を浴びているが、監督はどこにこだわり、オリジナリティーを発揮したのか? フランスのグザヴィエ・ピカール監督と共同でメガホンを取ったハンナ・ヘミラ監督が9月某日、フィンランドで語った。
トーベさんのオリジナルコミックを原作にした映画が作られないことを残念そうに話していたというトーベさんのめいからアイデアの相談を受けたというヘミラ監督は、ピカール監督と共に2分半のテスト映像を作成し、本映画化のゴーサインを手にした。
「よりムーミンを知ってもらうにはどうしたらいいか」という基準でムーミン一家がムーミン谷を抜け出すエピソードが収録された原作コミックを選び、コンピューターでは描き出せないトーベさんの原画が持つ力を手描きで表現したヘミラ監督。「絶対に手描きでやりたかった」と力を込め、「特色を言うと、手作りということです。現在は3Dアニメの傾向にどんどん移っていますが、その中であえて手作りにこだわり、色の世界にこだわった」と明かす。
そして、「ムーミンはこれまでにも映像化されてきましたが、今回は全く違う色を採用しています。原作コミックは白黒の世界です。つまり、自分たちで色を作ることになります。色の世界を考えたときに、まずトーベさんに敬意を表したいと思いました。トーベさんのコミックというのは、大人のユーモアのある作品なんです。だから大人にも子供にも観てもらえる色使いを意識しました。あと、音も全て作っています。例えば、花火が上がるシーンでは、実際に花火が上がっているときの音を使っているのではなくて、自分たちで作った音を使用しています。そういう意味では、音も時間をかけて作っているので注目してもらいたいですね」と本作ならではの魅力と見どころを日本のファンに訴えた。(編集部・小松芙未)
『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』は2015年2月13日より全国公開