三上博史、俳優業への思いを明かす「いつやめることになるんだろう」
俳優の三上博史が19日、都内で行われた連続ドラマW「贖罪の奏鳴曲(ソナタ)」完成披露試写会に女優のとよた真帆、青山真治監督と共に出席した。三上は俳優業について「いつやめることになるんだろう」と心中を明かす一方で、「まだやれるだろうと言っていただきたい」と充実した表情を見せた。
中山七里の同名小説を基にした本作は、必ず執行猶予を勝ち取る敏腕弁護士(三上)が担当した保険金殺人事件を通じて、正義と贖罪(しょくざい)の意味を問う本格派ミステリー。2003年公開の『月の砂漠』以来、久々の青山監督とのタッグに三上は、「青山監督とは、ずっとご一緒したかったけれども、なかなか機会をいただくことができず。いつもプロポーズしていて、やっとこういう形で組むことができました。とよたさんとは、その間に『明日、ママがいない』というドラマでご一緒しました。スポンサーが降りてしまっても、戦い続けました」と熱い思いを吐露。
一方のとよたは「三上さんとは『月の砂漠』でお会いして以来、プライベートでも仲良くなりました。その間に端の方(青山監督)と結婚しまして」と述懐。それを受けた青山監督は「家族みたいな感じというと語弊がありますが、家族だからしょうがない」と笑いながらも、「とてもツーカーな感じで進んでいくがゆえに深いところまでいける。こういう関係は面白い」と付け加えた。
本作にちなみ、「贖罪(しょくざい)したいこと」について問われた三上は、「特に現場では日々贖罪(しょくざい)の意識ですね」と返答。それを受けた青山監督が「この人は針1本落ちていてもストップするくらい繊細な人。確かに止めないといい芝居にならないんですが、めちゃくちゃ緊張感がある。大変なんだから」と冗談交じりにボヤくと、とよたは「それは俳優としても修行っぽくていい。こういう先輩がいて幸せです」とフォロー。
そんな二人の言葉に三上は、「役者をさせてもらって幸せなんですよ。ただ、いつやめることになるんだろうという意識もあって。監督から『ヨーイ、スタート』というかけ声がかかって。何かがわき上がってこなければ役者は終わりだと思っている。それにすがって演じているだけなので。でもこのドラマではドボドボとあふれたんですね。これはまだやらせてもらえるわと。皆さんに目撃者になっていただき、まだやれるだろうと言っていただきたい」と晴れ晴れとした顔を見せた。(取材・文:壬生智裕)
連続ドラマW「贖罪の奏鳴曲(ソナタ)」は1月24日夜10時よりWOWOWプライムにて放送開始(全4話)