『(500)日のサマー』脚本家コンビの最新作、世界各国でナンバーワンのワケ
口コミで大ヒットを記録した映画『(500)日のサマー』の脚本家コンビの最新作『きっと、星のせいじゃない。』が、本国アメリカだけでなく世界各国でナンバーワンヒットを記録している。そのヒットのワケを検証してみた。
10代で不治の病にかかりながらも限られた時間の中、明るく夢を追い掛け、運命の恋に落ちるヘイゼル(シャイリーン・ウッドリー)とガス(アンセル・エルゴート)の姿を描く本作。原作者が友人をモデルに書き上げたストーリーが、ポジティブなメッセージのあるヒューマンドラマとして好評を博し、全米では、同時期公開のトム・クルーズ主演の『オール・ユー・ニード・イズ・キル』などを押しのけオープニング興行成績ナンバーワンに輝いた。
また、『(500)日のサマー』で脚光を浴びたスコット・ノイスタッターとマイケル・H・ウェバーが、本作でも名脚本家コンビとしての実力を発揮。平凡な自分を嘆くガスの「特別な人間になりたかった」という言葉に対して、「わたしにとって特別なだけじゃダメ?」「わたしがあなたを愛してる。ずっと忘れない」と相手を思うヘイゼルの甘く心を締め付けるセリフなどが随所にちりばめられており、脚本の出来の良さもヒットを後押しした。
さらに本作を盛り上げたのは、第57回グラミー賞で最優秀アルバム賞にノミネートされたイギリスのエド・シーラン、デビューアルバムがUKアルバムチャート初登場第1位に輝いたジェイク・バグをはじめとする注目の若手ミュージシャンたちの音楽。彼らの音楽に乗せて語られるヘイゼルとガスの感動のラブストーリーは、2014年にティーン・チョイス・アワードで7冠を達成し、さらに2015年ピープルズ・チョイス・アワードでも「お気に入りのドラマ映画」賞を獲得。ティーンだけでなく幅広い年齢層の心をつかんだことが証明された。また、純愛物を好む傾向にある韓国や台湾では、ティーン以上に20~30代の圧倒的な支持を得たという。
公式Facebookで1,300万件以上の「いいね!」を獲得するなどSNSや口コミでの大きな盛り上がりを見せ、イギリス、ドイツ、ブラジル、オーストラリアなど世界各国で次々とヒットを記録している本作。きっと日本人の琴線にも触れるに違いない。(平野敦子)
映画『きっと、星のせいじゃない。』は2015年2月20日よりTOHOシネマズ日本橋ほか全国公開