高良健吾“初ドッキリ”に感激「心の中で事件」
14日、映画『悼む人』の初日舞台あいさつが丸の内TOEIで行われ、主演の高良健吾をはじめ、石田ゆり子、井浦新、貫地谷しほり、椎名桔平、大竹しのぶ、堤幸彦監督ら豪華な面々が登壇。バレンタインデーのこの日、本作が俳優デビュー10周年の最初の主演作となる高良に、キャスト全員から完全サプライズでチョコがプレゼントされ、高良は「僕、サプライズとかドッキリって初めてで。下手なリアクションしかできなくて最悪だけど、心の中では事件が起きています。サプライズっていいですね」と感激の笑顔を見せていた。
本作は、人気作家・天童荒太の直木賞受賞作を基に、不慮の死を遂げた人々を悼むために、全国放浪の旅をする坂築静人と彼をめぐる人々が織り成す人間模様を描いた感動作。静人役の高良は「最初は力が入りすぎて、みんなの中に静人がどう存在すればいいか、毎日考えていた」と苦労を明かし、「(本作には)朝日や夕日がよく出てきて、普段は気づかないけど、役のおかげで、日の出が毎日繰り返されていると気づけた。静人もそんなふうに、誰かのまわりに絶対にいるんだと思います」と感慨深げに語った。
一方、夫を殺した罪を背負いつつ静人と出会い、共に旅をすることになるヒロインの奈義倖世にふんした石田は、「わたしは原作のファンで、映画化の話を聞いて、出られないだろうかと自分から志願する大胆な行動に出てしまいました。生みの親が天童荒太さん、育ての親が堤監督なら、わたしは乳母ぐらいの気持ちです。あれ、何か変ですか?」と少し戸惑いつつ、本作への思いを明かした。
静人を疑い彼を追う人間不信の雑誌記者・蒔野役の椎名は「僕は静人の母役の大竹さんを追い詰めたりするんですが、実は大竹さんとは初共演で、普段は緊張しない自分が緊張したんでしょうね、急に胃が痛くなって、近くの病院まで行ったんです」と裏話を明かすと、堤監督も「本当、本当。玄関先でうずくまって、動けなくなっちゃって、うなっていました」と説明。これに大竹は「わたしは母親の大きな愛を表現する役で、椎名さんにも愛情をもって接していましたよ」と切り返し、会場の笑いを誘っていた。
舞台上には、静人と倖世が出会う場である山形の名産である「啓翁桜」が500本飾られ、一足早い春の華やぎを伝えていた。(取材/岸田智)
映画『悼む人』は公開中