『ソロモンの偽証』1万人オーディションの裏側!キーマンを演じた板垣瑞生が語る
宮部みゆきの原作を『八日目の蝉』の成島出監督が前・後篇2部作として映画化した『ソロモンの偽証』で、物語の鍵を握る神原和彦役を1万人の応募者からゲットした板垣瑞生が、緻密な人間描写で知られる成島監督の演出について語った。
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この映画は男子生徒の謎の死をきっかけに不可解な事件が続発、生徒自ら校内裁判を開いて真実に迫ろうとする分厚い人間ドラマ。その中で板垣は、他校生ながら裁判に参加する頭脳明晰(めいせき)な神原和彦を演じる。「成島監督は一つ一つのお芝居をじっくり見られていて、とても耳がいいんです。発声やイントネーションも細かく聞き分け、少しでも違うと指摘されました」と撮影を振り返る。
3次選考では60人に絞られた候補者で、約2か月間のワークショップを開催。演技レッスンやカメラテストを経て配役が決定した。「別の生徒の両親役だった俳優さんに神原の両親を演じてもらい、劇中には登場しないシーンを演じました。そうしたことが神原和彦という役、僕自身が経験していない複雑な過去を抱えた男の子を演じる上でとても役立ちました」と語る。丁寧な演出と長期にわたる緻密な準備が、演技経験のないフレッシュな俳優から見応えある芝居を引き出したのは確かなようだ。
前篇に続き、4月11日に『ソロモンの偽証 後篇・裁判』が公開、彼の芝居がさらに注目されるはず。「中学生が裁判をやること自体が新鮮で面白いですよね。それでいて僕が演じる神原は、ある意味で後半の鍵を握るといえるかもしれません。いずれにせよ、見応えばっちりの映画になっていると思います!」と胸を張る。この映画で役名を芸名として主演デビューする藤野涼子はじめ、10代キャストの中にはこれから花開くはずの若手がひしめいている。彼らと切磋琢磨(せっさたくま)した板垣がこれからどんな俳優になるのか、将来が楽しみだ。(取材・文:浅見祥子)
『ソロモンの偽証 前篇・事件』は3月7日より全国公開
『ソロモンの偽証 後篇・裁判』は4月11日より全国公開