来日したダルデンヌ兄弟、マリオン・コティヤールとの再タッグを希望!
『ロゼッタ』『ある子供』でカンヌ国際映画祭パルムドールに輝いたジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督が25日、最新作『サンドラの週末』のプロモーションのため在日ベルギー大使館で来日会見を開き、本作で本年度アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたヒロイン、マリオン・コティヤールの熱演をたたえた。
今回で3年ぶり7度目の来日となるダルデンヌ兄弟。リュックは「来日できたことを大変うれしく思っています。定期的に来ておりますが、日本のホスピタリティー、その雰囲気、日本の方々の歓迎の気持ちなどは素晴らしいです。特に日本料理は大好きです」とあいさつし、ジャンも『イゴールの約束』での初来日時を振り返り、当時、世界に先駆けて同作を買い付けてくれたという日本の関係者へ謝辞を述べた。
本作は、従業員のボーナス支給のため上司から解雇を言い渡された女性サンドラが、自身の解雇撤回のため奮闘する姿を描いた社会派ドラマ。サンドラにふんしたマリオンを、リュックは「女性としても女優としても寛大で気前のいい人。なかなかいない素晴らしい方」と表現する。
リュックによればマリオンは有名女優でありながらも、現場で彼女のようなスターとの仕事をどこか恐れる他の俳優たちに対し、特別扱いを望まなかったといい、「毎回食事もみんなで一緒にしてくれた。有名な人であればそういうことを拒否する人もいるのですが、彼女は撮影に入る前に『わたしをあなたたちの思うようにしてくださって結構です』と言って、他の俳優たちと全く同じ条件でリハーサルをし、撮影に臨むことを受け入れてくれた」としみじみ。
女優としても「こちらが提案したことをす全て突き詰め、さらに新しい提案までしてくれた。本当に努力をする、たくさん仕事をする人」と絶賛。「いつかもう一度彼女と一緒に仕事をすることになるかもしれませんね」と笑顔を見せていた。(取材・文:名鹿祥史)
映画『サンドラの週末』は5月23日よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開