日本の18禁アニメがハリウッド映画に!原作者が明かす実現までの道のり!
ハリウッドで製作された痛快アクション映画『カイト/KITE』の基になった、日本の18禁アダルトアニメ「カイト」の原作者・梅津泰臣が、実写版について語った。
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鮮烈なバイオレンス描写などオリジナル版のスピリットが感じられる、このハリウッド版の初見の印象を聞くと、「アニメのシーンをそのまま再現している箇所もいくつかありましたし、オリジナルへのリスペクトが全体的に感じられて、とても満足しています」と原作者もお墨付きを与えた『カイト/KITE』。
そんな本作のキーパーソンともいえるアカイ役を務めるのは、あのサミュエル・L・ジャクソン。梅津は、個性派俳優である彼がどんな風にアカイを演じるのか楽しみにしていたといい、「アカイはオリジナルだと極悪非道なキャラだけど、サミュエルが演じることでアニメとは異なる人間性が浮き彫りになっていた。さすがです」と拍手を送る。
そんな実写版だが、完成までには紆余(うよ)曲折があった。当初『トリプルX』のロブ・コーエンが映画化を進めていたが「コーエンは監督ではなく最終的にプロデューサーということになって。でも迷走している感があった。脚本がオリジナルとあまりにもかけ離れた内容だったので、『本当にこのまま映像化されるのだろうか……』と不安になった」という梅津。
その後コーエンが降板し、『デッドコースター』のデヴィッド・R・エリスが監督に決定する。「エリスの一言で内容をアニメ寄りに戻すことになり、話は一気に進み始めた」と語る梅津。エリスは本作の製作を準備中だった2013年にロケ地の南アフリカで急死するが、彼の遺志を引き継いだ南アフリカ出身のラルフ・ジマン監督が見事にこの映画を完成させた。
先日、長年企画が進められていた『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』実写版が、スカーレット・ヨハンソン主演で製作されることが決定したが、『カイト/KITE』の製作の話も13年前に始まっていた。日本アニメのハリウッド実写版が実現するまで時間がかかる一番の要因について梅津は、「今作に関して言うと、製作陣に一人イニシアチブを取る中心人物がいて、その人に行動力や方向性がないと迷走していくと感じました」と経験から得た貴重な意見を語った。(小林真里)
映画『カイト/KITE』は4月11日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開