アジアで大ブレイク中の古川雄輝、俳優になった決め手は「衝動」
映画『キサラギ』の佐藤祐市監督最新作『脳内ポイズンベリー』で真木よう子演じるヒロイン・いちこが恋する早乙女を演じた古川雄輝が、彼自身の人生を左右した「脳内会議」について語った。
「失恋ショコラティエ」の水城せとなによる漫画を実写映画化した本作は、真木よう子演じる生き方に迷うアラサー女子、いちこの脳内と現実世界を同時進行させる風変わりなラブストーリー。何を考えているのかわからない早乙女を演じていちこに激しい脳内会議をさせた彼自身は、「大学卒業後の進路についての決断が、最も大きな脳内会議でした」と振り返る。
慶應義塾大学に在学中、現在所属する事務所のオーディションを受け、「俳優業、就活、大学院進学というパターンがあって悩んだのですが、意外と早く結論が出ちゃいました」と笑う。映画の中ではいちこの思考をポジティブ、ネガティブ、衝動、記憶に分けて擬人化、それを風見鶏な議長が取りまとめるのだが、古川自身の脳内会議では「衝動の発言力が一番強かった」と言い切る。「いつもなら先のことを考えて行動するタイプなんですけど。例えば将来サラリーマンになったとしますよね。仕事でイヤなことが一つでもあったら『俳優をやっていたほうが楽しかっただろうな』と絶対に思うはずです。同じオーディションを受けて俳優になった人をテレビで観た瞬間に、自分もやっておけばよかった……と思うだろうなって。そんなふうに後悔するのがどうしてもイヤだったんです」。
テレビドラマ「イタズラなKiss~Love in TOKYO」シリーズが大ヒットしてアジアでブレイク。中国では「男神(憧れの男性という意味)」といわれるほど絶大な人気を誇っている。昨年には日中合作ドラマに出演し、映画『猟奇的な彼女』のクァク・ジェヨン監督による日韓合作映画『風の色(仮)』(2016年春公開予定)では主演を務め、一人二役に挑戦する。才色兼備な彼のボーダーレスな活躍に、今後も大いに期待したい。(取材・文:浅見祥子)
映画『脳内ポイズンベリー』は5月9日より全国公開