『寄生獣』ヨーロッパ初の“イッキ見上映”は大盛況!予想外の珍現象に監督もニンマリ
イタリアで開催中の第17回ウディネ・ファーイースト映画祭で現地時間1日、染谷将太主演『寄生獣』と『寄生獣 完結編』が続けて上映された。この“イッキ見上映”は日本でもTOHOシネマズ新宿のオープン記念で1度しか行われておらず、貴重な観賞の機会に1,200席が満席となった。
それは、同映画祭を愛する山崎貴監督からの感謝のプレゼントだった。山崎作品はこれまで『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005)、『ALWAYS 続・三丁目の夕日』(2007)、『永遠の0』(2013)と3作品が上映。そのたびに山崎監督は「食事がおいしくて来ちゃう」とウディネ入りしていたが、昨年の『永遠の0』の際には、まさに『寄生獣』の撮影中で参加出来なかったという。そんなときに限って『永遠の0』が、観客賞にあたるゴールデン・マルベリー賞を受賞した。
今回は、当初は『寄生獣』のヨーロッパ初上映のみだったのが、山崎監督の「せっかくなら完結編も上映してほしい」という要望を受け、映画祭側が上映スケジュールを再調整。日本での劇場公開からわずか1週間で、海外初上映が実現した。舞台に立った山崎監督は、手に書いたイタリア語を読みながら「ここに来られてうれしいです」とあいさつ。続けて「昨年は『永遠の0』で観客賞をいただき、ありがとうございました」と改めて感謝の言葉を述べると、大きな拍手が沸き起こった。
上映中は、冒頭、寄生獣と化した人間が人を襲うシーンでヤンヤの喝采が沸き起こるほどの盛り上がりぶり。染谷演じる新一とミギー(声:阿部サダヲ)のコミカルな会話には何度も笑いが起こり、山崎監督も「イタリアのお客さんは笑ってほしいところでウケてくれて、リアクションがいいですね」とニンマリ。一方で、前日に上映された『百円の恋』のダメ男役が強烈過ぎたのか、新井浩文が出てくるたびに場内からクスクスと笑い声が起こるという珍現象も。この予想外の反応には、山崎監督も「新井人気、腹立つな(笑)」とぼやきつつ、うれしい誤算に笑顔を見せていた。(取材・文:中山治美)
映画『寄生獣 完結編』は上映中