杏、『百日紅』初日に感無量!立ち見が出るほどの盛況ぶり
アニメ映画『百日紅~Miss HOKUSAI~』初日舞台あいさつが9日、都内で行われ、声優を務めた杏、松重豊、濱田岳、立川談春、清水詩音、原恵一監督が登壇した。立ち見客も出るほどの盛況ぶりに、キャスト陣は喜びをかみしめながら、作品に込めた思いを語った。
杉浦日向子の傑作を初めて長編映画化した本作は、葛飾北斎(松重)の娘である浮世絵師・お栄(杏)と父、その仲間たちが自由闊達(かったつ)に生きる姿を、江戸の四季を通して描いた浮世エンターテインメント。フランスやイギリスなど10か国での海外配給や国際映画祭への出品も決定しており、国内外の注目度が高い作品だ。
待望の初日を迎え、杏は「大好きな杉浦日向子さんの作品に、憧れていたアニメーション映画として関わらせていただけて光栄」と感慨深げ。「1年間、制作のご苦労などもあったかと思う」とスタッフをねぎらいながら、「今日のこの日が待ち遠しかった。願わくば、わたしも空いている席で観たいと思うくらい何度でも観たくなる作品」と作品に自信をのぞかせた。
また、「わたしの生まれた年は江戸時代に生まれた最後の方が亡くなった年。ここで江戸時代が途切れないように、今わたしたちが観て、感じて、伸ばしていくことが現代のわたしたちの使命でもあり楽しみだと思います」と見解を示すと、「この中には、今は見られないけど知っている、心の奥底から呼び覚まされるような江戸の景色や心意気がたくさん詰まっています。皆さんにぜひそれを感じていただきたい」と見どころも語った。
一方、声優の仕事に憧れていたという松重は、「葛飾北斎(の声)というやりごたえのあるお仕事で、気合を入れてアフレコに臨んだ」と述懐。アフレコ期間は2日間あると言われていたが、わずか3時間で終わってしまったそうで、「いろんな声やパターンで挑戦したいという夢も膨らんでいた」と悔しさをにじませる場面も。とはいえ、「3時間ですが、そこに込めた僕のこの映画に対する愛情は並大抵のものではありません」と断言し、場内を盛り上げていた。
愛のあるキャストたちのコメントに、原監督は「自信を持ってお見せできる作品ができました。どうかこの作品を末永く愛していただけることを願っています」と感無量の面持ちを見せた。(取材・文:鶴見菜美子)
映画『百日紅~Miss HOKUSAI~』は全国公開中