ジョージ・クルーニーの憂いと夢 携帯電話の使用方法への警鐘も
「ニュースは暗いことばかりで非常にがっかりすることが多い」と昨今の世の中を憂えるのは、平和活動家という一面も持つ俳優のジョージ・クルーニー(54)。そんな彼が、今抱いている思いを明かした。
【写真】ウォルト・ディズニーが描いた未来都市『トゥモローランド』
映画『トゥモローランド』でディズニー作品に初参加し、主演を務めたジョージ。作品に参加した理由について、メガホンを取ったブラッド・バード監督の作品が大好きだったからと述べつつ、「子供のころ、僕の家族や周りの人からわれわれの行動が未来に影響を与えるという教育を受けた。世の中で活躍しなさいといわれていた。その世代ってすごく変化を起こしたと思う。この映画にはそういう楽観主義的な感覚があったから惹(ひ)かれた部分もある」と語る。
彼が抱く夢には、イタリアの湖畔で妻や犬と共においしい赤ワインを片手に過ごすというプライベートなものから、「楽観的かもしれないけど、われわれの社会や国、そして世界全体が良くなってほしい」と世界規模で考えているものまであるという。ジョージは続けて「これは僕の信念であり、夢であり、願いなのだけれど、若い世代に未来は定められたものではなく、変えることができると夢を抱いてほしいし、彼らに良い方向に導いてほしいと思っている」と若者たちに向けてメッセージを送る。
しかしその一方で最近の人々の携帯電話の使い方を指摘。「オバマ大統領の資金集めの際、大統領と一緒に1,000人くらいの人と握手したんだけど、みんな携帯電話を構えて録画しているんだよ。それだと会ったとは言えないじゃないか。録画しただけだよ。ちゃんと“生”で生きるというよりも、録画してそれを再生しているだけになってしまうよ」と警鐘を鳴らしていた。
また自身の俳優業については、「僕は俳優だから、子供らしさを残さないといけない。俳優って成長しない。54歳でも“ゴッコ遊び”をしているわけだから」と説明。自分のキャリアに触れると「とてもラッキーだよ。やりたいことを全部やらせていただいて、これはまれなことなんだよ」と謙虚な姿勢を見せた。
ジョージは共演者にイタズラを仕掛けるおちゃめな一面があることも知られているが、今回は共演者が若く、監督も仕事で手一杯そうだったため何もできなかったと残念そうな顔。もしもイタズラを仕掛けるならば、「レッドカーペットで警察官の格好をした役者陣で、監督に向かってワーッと日本語で怒鳴る! そして手錠をかけようかな」と笑顔を見せていた。(編集部・井本早紀)
映画『トゥモローランド』は6月6日より全国公開