渡辺謙、トニー賞受賞ならず…“常連俳優”マイケル・セルヴェリスがミュージカル主演男優賞を受賞
米演劇界で最も権威のある賞とされる第69回トニー賞の授賞式が、現地時間7日、ニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで開催され、ミュージカル主演男優賞に「ファン・ホーム」のマイケル・セルヴェリスが輝いた。俳優の渡辺謙(55)は同賞にノミネートされていたものの、受賞には至らなかった。
「ファン・ホーム」は、アイズナー賞の最優秀ノンフィクション賞や文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞したアリソン・ベクダルによる半自叙伝的漫画を原作としたミュージカル。同性愛者である女性アリソンの少女時代、ティーン時代、中年時代を交錯させつつ、同じく同性愛者で共感を覚えながらもすれちがい続けた父との関係を描く。マイケルはアリソンの父ブルースを演じている。マイケルはこれまでにミュージカル助演男優賞を受賞しているトニー賞常連俳優であったことからも、下馬評で最有力候補として挙がっていた。
本年のミュージカル主演男優賞には、マイケルや渡辺のほか、3度目のノミネートとなったブライアン・ダーシー・ジェームズや、初ノミネートのトニー・ヤズベック、ロバート・フェアチャイルドまで幅広い俳優たちがノミネートされていた。渡辺は主演作「王様と私」が今年のミュージカル・リバイバル作品賞を獲得し、同賞への受賞も期待されていただけに、残念な結果となった。(編集部・井本早紀)