カート・コバーンの全てが詰まった映画…1週間だけの上映
1994年に27歳の若さで急逝したニルヴァーナのフロントマン、故カート・コバーン。そんな彼のドキュメンタリー映画『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』が27日より1週間限定で、全国の映画館で公開される。
両親が離婚し、貧しい家庭環境に育ったことで、内向的であったという少年カートは、音楽に感情をぶつけていた。1990年代、パンクとハード・ロックの融合ともいわれる斬新なサウンドと、若者の不安を体現するかのようなメッセージ性の強い作品で人々の心をつかみ、音楽界をけん引するまでになる。カートに憧れた多くの男女が着古したシャツに穴の開いたデニムといったグランジファッションに身を包むようになるなど、彼はその時代の自由を象徴する存在だった。
カートの死から21年がたち、彼の遺族が初めて全面協力し、カートの娘フランシスが製作総指揮を務めて作り上げられた本ドキュメンタリー。メガホンを取ったのは、ブレット・モーゲン。今から約8年前、カートの妻コートニー・ラヴがモーゲン監督の手掛けたドキュメンタリー『くたばれ!ハリウッド』を気に入り、ぜひともカートのドキュメンタリーを製作してほしいと依頼をしてきたのだと米GQのインタビューでモーゲン監督は明かしている。
そしてコートニーがモーゲン監督に託した未発表の楽曲、日記、油絵、写真、ホームビデオといった私的なアーカイブは、わたしたちの知らなかったカートの姿をあらわにしていく。
カリスマ的な人物のドキュメンタリーは観客の評価も厳しい。バンド、ザ・ローリング・ストーンズを『クロスファイアー・ハリケーン』で描いたこともあるモーゲン監督は、アニメーションを織り交ぜるなど独創的な方法で、カートの名に恥じない作品を作り上げた。(編集部・石神恵美子)
映画『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』は27日より1週間限定で全国公開