押井守が描きたかった『パトレイバー』!ディレクターズカット予告編公開!
「機動警察パトレイバー」実写化プロジェクトの長編劇場版に、27分の映像を追加した、映画『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦 ディレクターズカット』の予告編が公開された。
同作は、熱光学迷彩を施した武装ヘリ「グレイゴースト」で東京を混乱状態に陥れる謎のテログループに、人間型作業機械レイバーを使用して犯罪を取り締まる「特車二課第二小隊」3代目隊員たちが立ち向かう姿を描いたロボットアクション。今回のディレクターズカット版(以下、DC版)では、押井守監督が自ら全カットを責任編集。正体が謎に包まれたままだったグレイゴーストのパイロット灰原零(森カンナ)や、特車二課メンバーの日常を追ったエピソードが加わり、より人物描写に深みを増した。
「これは、語るべきテーマが詰まった“特濃版”。一気飲みしたらおなかをこわすかもしれない」という押井監督のコメントから幕を開ける映像は、アクションを全面に押し出した公開版の予告から、押井作品には欠かせない川井憲次による本編楽曲を使用した重厚感あふれるイメージに一新。灰原の正体に迫るミステリー色も色濃く反映され、過去の押井作品に通じる「現実と非現実の狭間(はざま)の曖昧さ」がより強調された映像になっている。
『パトレイバー』の魅力が、「基本的にはしょうもない人たちのしょうもない話だという部分が大きいと思う」と分析する押井監督は、人物描写が増した理由について「特車二課の日常っていうのは、ひたすら待機すること。毎日、何かカッコいい仕事をしているわけじゃないんだけど、そういう姿を描いているところに惹かれてる人が多いはずなんですね。だから、この要素はしっかり踏襲しようと思っていた」とコメント。
さらに「よく言われるDC版とは、レベルが違うかなと思っている。だって公開版が90分強、DC版が約2時間で、27分も違うんだから」と語り、「公開版で切られていた部分が、単純に画がチープだったから(切った)とか、そういうことは全くないので……自信はありますよ」と断言している。(編集部・入倉功一)
映画『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦 ディレクターズカット』は10月10日より全国公開