『新宿スワン』と違って全然人が寄ってこない…!園子温組、愛知になじみ過ぎ!
青春コメディー映画『映画 みんな!エスパーだよ!』の園子温監督、染谷将太、池田エライザ、真野恵里菜が本作の裏話を語り合い、ロケ場所である愛知県でのユニークな撮影エピソードを明かした。
本作は、若杉公徳の人気漫画を原作に、2013年4月よりテレビ東京の「ドラマ24」枠で放送され、ギャラクシー賞を受賞するなど大きな反響を呼んだ連続テレビドラマの映画版。突如として超能力に目覚めた平凡な高校生・嘉郎(染谷)と、彼を取り巻くエスパーたちとのおバカな戦いと友情が描かれる。映画版ではテレビシリーズの世界観を引き継ぎつつ、キャストの一部を変更してオリジナルストーリーを展開。作品の特徴である脱力ギャグやお色気シーンもパワーアップされ、悪のエスパーたちによる「世界エロ化計画」なる陰謀との戦いが、壮大なスケールで繰り広げられるのが見どころだ。
テレビシリーズに引き続いてロケ場所となったのが愛知県豊橋市、豊川市の東三河地区。この地は、実は園監督の故郷でもある。約2年ぶりに東三河を訪れた、女子高生・紗英役の真野は「2年ぶりのロケだったんですけど、『シーホース』(劇中でエスパーたちが集う喫茶店)をお借りしているお店の近所にお子さんがいらして。今回再会したら、ずいぶん大きくなっていてびっくりしちゃいました」としみじみ。撮影場所の近所で暮らす地元住人たちとの再会を楽しんだという。
そして今回ヒロインのヤンキー女子高生・美由紀役に抜てきされ、映画版から初参加した池田エライザは、映画を撮影していても全然ギャラリーの人が寄ってこなかったという初の東三河ロケの驚きを語った。「結構エッチなシーンを撮影していても、みんなカメラを見ないんです。シュールな光景なんですけど、それに慣れてしまっている自分にびっくりしました(笑)」
染谷によると、「キャストもスタッフも土地になじんで、すっかり親しんでいるから、撮影していてもほっといてくれるんですよ。『あいつら、またやってるよ』みたいな(笑)」とのこと。その発言を受けて園監督は、「(自分の監督作の)『新宿スワン』のときとはえらい違いだった。あのときは歌舞伎町に人がバーッと集まって、一度撮影中止になったくらいだからね」と続けた。
東三河の寛大さを絶賛する4人。園監督も「街の協力はものすごく大きかったと思います。豊橋市、豊川市が全面的に応援してくれたおかげで、撮影はスムーズに行きましたね」と感謝を示した。本作には町中に美女たちがあふれ返るお色気シーンなども登場するが、それを大らかに包み込むような東三河の牧歌的な雰囲気にも注目だ。(取材・文:森直人)
『映画 みんな!エスパーだよ!』は9月4日より全国公開