永山絢斗、兄から継いだ『アンフェア』最後の相棒役
10年間続いた人気シリーズ「アンフェア」のフィナーレとなる劇場版第3弾『アンフェア the end』。この記念すべき作品で、篠原涼子演じる敏腕女性刑事・雪平夏見の最後の相棒役に永山絢斗が抜てきされた。くしくも、実兄・瑛太が雪平の初代相棒役を務めているが、永山は完成した作品を観て「自分が『アンフェア』に出ていることが不思議で仕方なかった。高校時代から大好きでずっと観てきた作品でもあったので」と喜びをにじませる。大好きだからこそ「緊張しっぱなしだった」という永山が本作の舞台裏を語った。
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永山が演じる津島直紀は、仕事先で偶然、あるデータを入手したシステムエンジニア。まさに物語のキーマンとなる難しい役どころで、最初に出演のオファーが来たときは「10年続いた作品の最後に僕が? と正直驚きました」という。
自分なりのプランを練り、気合十分で撮影に臨んだ永山だが、佐藤嗣麻子監督から「もっと普通に」と指導を受け、「男くさいバイオレンスをやろうとしていた僕が間違っていた」と苦笑い。ちょうどその頃、「アンフェア」の再放送をテレビで観ていたそうで、兄・瑛太の相棒ぶりを意識したかについて「それは全く考えていなかった」とキッパリ。あくまでも津島という男の役づくりに対するこだわりだったと明かす。
「事件の伏線を考えながらの役だったのですが、撮り順がバラバラで、ラストシーンを割りと早い段階で撮ったので、頭の中で予測しながらの表現は本当に難しかった」と吐露。さらに「それに輪を掛けて現場でセリフやシーンが増えたりすると、自分の中のイメージが全部崩れていくので大変でしたね」と述懐する。ところが「完成したものを観たら、最後の最後まで謎を引っ張る津島に驚きましたね。自分で自分にビックリしました」と作品には心から満足している様子を見せた。
まさに緊張の連続だったという現場だが、篠原との共演は心から楽しめたという。「一番、篠原さんというか、雪平といる時間が長かったので、“アンフェア感”をたっぷり満喫しましたね。普段は明るくてチャーミングな篠原さんが、雪平になる瞬間を目の前で見たときは感動しました」と目を輝かせる。「10年間も同じ役を演じ続けるってすごいこと。きっと僕たちのわからない領域までいっているんでしょうね」と最後は真剣な表情で篠原に称賛の言葉を贈った。(取材・文:坂田正樹)
映画『アンフェア the end』は9月5日より全国公開