3D山岳映画でベネチア開幕!J・クラーク、J・ブローリン、J・ギレンホールら山男ずらり
第72回ベネチア国際映画祭
現地時間2日、第72回ベネチア国際映画祭が山岳映画『エベレスト 3D』の上映をもって開幕した。映画祭会場にはジェイソン・クラーク(『猿の惑星:新世紀(ライジング)』)、ジョシュ・ブローリン(『ノーカントリー』)、ジェイク・ギレンホール(『ナイトクローラー』)、ジョン・ホークス(『ウィンターズ・ボーン』)ら“山男”たちがずらり集結。例年にない男くささとなった。
エベレスト登山史上最悪の遭難事故の一つとされる1996年の大量遭難を基にした本作。ニュージーランドで登山ガイド会社を営んでいたロブ・ホール(ジェイソン)率いるエベレスト登頂ツアーの参加者たちが、体調不良をはじめとしたトラブルが重なり下山が大幅に遅れた上、急激な天候の悪化によりムチのような激しさで打ち付ける風と雪、そして酸素不足に襲われて生死のふちに立たされるさまを大迫力の3D映像でつづる。
撮影はエベレストをはじめイタリアのドロミーティ山地など標高の高い実際の山々で行うなど、アイスランド出身のバルタザール・コルマウクル監督(『ザ・ディープ』)はキャスト陣を徹底してリアルな環境に置いた。同日行われた会見でコルマウクル監督は「ある地点まで来ると本当に気持ち悪くなるから、そうしたら彼らをヘリコプターですぐに退避させた。ジェイクがこのことを『痛みとけがは違う』ととてもうまく表現していたね。僕は彼らにたくさんの痛みを味わわせたけど、けがはさせなかった」とコメント。スタジオ撮影部分も本物の雪を搬入して室内を極寒にしたという。
ジェイソンは「山へ行かなくてはこの実話を描けなかった。これは山へ行って、帰ってこようとすることについての物語だから」と監督に同意。ジョシュも「バルト(監督)がどんな環境に僕らを置くのかわかっていなかった。多くの監督が『自然の中で撮影する』と言っても、そこには心地よいトレーラーハウスがあるものだから……。本作で僕らがしたのはシミュレートすること。僕たちが実際にエベレストを登る過程を映したわけじゃない。飛行機事故の映画で実際に飛行機を落とさないのと同じようにね。でも、その経験の恐ろしさをできるだけリアルに見せようとした」と振り返った。
映画祭にはジョシュふんするベック・ウェザーズを家で待つ妻役のロビン・ライトとベースキャンプで登山家たちをサポートするヘレン役のエミリー・ワトソンも出席。エミリーはこの事故の目撃者となった人物を演じるというアイデアが気に入ったと明かすとともに、「登山家として日本人の難波康子さんも描かれている。男性だけの世界じゃないのよ」と語っていた。(編集部・市川遥)
第72回ベネチア国際映画祭は現地時間12日まで開催
映画『エベレスト 3D』は11月6日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国公開