コリン・ファース、僕なりのジェームズ・ボンドを演じきった!
『キック・アス』などのマシュー・ヴォーン監督がメガホンを取った新作スパイアクション『キングスマン』で、エリートスパイとして華麗なアクションを披露した俳優コリン・ファースが、同作におけるスパイ映画へのオマージュなどについて語った。
表向きはロンドンの高級スーツ店、裏の顔は世界最強のスパイ機関である“キングスマン”が、世界規模のテロを企てる最強の敵を相手に奮闘する姿をキレッキレのアクションを交えて描いた本作。
劇中には人気シリーズ『007』を筆頭に、さまざまなスパイ映画に対するオマージュが散りばめられている。歴代のジェームズ・ボンドたちはみな素晴らしいとたたえながら、特に3代目ボンドのロジャー・ムーアに強い思い入れがあると語るコリンは「『キングスマン』では、ロジャーのボンド映画を引き合いに出して楽しんでいるんだ。人を惹(ひ)きつける悪役に、大胆で色鮮やかな展開が素晴らしいし、わざとらしいリアリティーが一切ない」と説明。
『007』シリーズだけでなく、マイケル・ケイン主演の『国際諜報局』やテレビシリーズ「0011ナポレオン・ソロ」といった1960~1970年代のスパイ作品からの影響も受けているという。コリン演じるハリー・ハートが愛用する完全防弾・スタンガン内蔵のスパイ仕様の傘は、イギリスのテレビドラマ「おしゃれ(秘)探偵」や、同作を映画化した『アベンジャーズ』(1998)の主人公ジョン・スティードが持っている傘からアイデアを得ており、それは「相手をキックするという武術よりも、剣術が僕の身体的スタイルには合っていたという理由でも傘が選ばれたんだ」とコリンは明かす。
防弾機能のマシンガン傘に加え、ナイフ内蔵シューズやライター爆弾、感電リングといった数々のスパイガジェットが登場するのも見どころの一つ。お気に入りのガジェットがころころ変わるというコリンは、「傘と答えるときもある。ロンドンに住んでいると、戦っていなくても傘は必要だからね。スーツは、防弾かどうかは別にしても美しいものだし。ある意味、鎧(よろい)を象徴している。スーツは社会的鎧だね。しかし、手りゅう弾があったらいいのにと思う瞬間が、毎日必ずあるよ(笑)」とぶっちゃける。
また、今回アクション俳優としての一面を開花させたコリンは、世間が次期ジェームズ・ボンド予想で盛り上がっていることに関して、「僕は(5代目ボンドを務めた)ピアース・ブロスナンと知り合いで、彼の話を聞く限り、彼はボンドを演じるのを楽しんでいたようだ。でも、ボンドを演じることは、その人の人生において決定的なものになると思うから、とても大きな決断だ」と指摘し、自身がボンドを演じたいかについては「僕は54歳だし、次期ボンドにはもっと若い人が求められているだろう。ボンドに決まったら、この先、数年間はボンドを演じなければいけないから、他の誰かの方が向いていると思う。僕は本作で僕なりのボンドを演じたと感じているし。『キングスマン』が僕のバージョンとなることがとてもうれしいよ」と満足そうに語った。(編集部・石神恵美子)
映画『キングスマン』は全国公開中