ぱるる、AKB48卒業は「自信がついたら」 彼女が描く未来図とは?
AKB48のぱるること島崎遥香が本格的に女優業に挑んだホラー映画『劇場霊』が完成した。3年連続で選抜メンバー入りし、今年5月にリリースされた40thシングル「僕たちは戦わない」ではセンターを務めるなど、グループの中心メンバーとして活躍しながらも、インタビュー中「自分に自信がない」と連発する彼女が描く未来図とは何かに迫った。
『女優霊』『リング』の中田秀夫監督が、前田敦子の女優としての可能性を広げた『クロユリ団地』に続いて発表するホラー映画『劇場霊』。AKB48全メンバーを対象にしたオーディションで、そのヒロインという大役を得た島崎は「初めは監督が誰かも、どんな映画かも教えられていなくて、まさかこれほど大きな作品だとは思わなくて。それで主役に選ばれたと聞いたときはビックリしました」と予想外の抜てきだったことを明かす。
さらに「撮影はつらい日々でした。慣れない環境で、どうしていいかわからなくて。全部が大変なんです」と苦労の連続だったといい、「お芝居を面白いと感じる余裕なんて最後までなくて、自分と演技との闘いでした」と吐露。完成した映画についても「普段から自分が出たテレビ番組はまったく観ないので、目をつぶりたくなりました」と苦笑い。「映画は好きなので出てみたいなと思いますけど、出来上がったものを観たら自信をなくしてしまって。これからどうしようかなって悩んでいます」と冗談交じりに打ち明ける。
かつてグループの中心メンバーとして活躍した先輩たちが続々と卒業していく中、彼女はどのような未来図を描くのか? AKB48メンバーに付いて回る質問にも「卒業は考えないようにしています」と微妙な言い回し。「先輩たちがどんどん卒業し、同期の子がチームの代表になったりし始めています。そんな彼女たちを自分も支えなきゃいけないんじゃないかなって考えたりするんです。それにまだ、一人でやっていける自信もありません。一人でやっていけるという自信がついたら考えるかもしれませんね」と控えめに語る。
とはいえ、ジャパニーズホラーの巨匠である中田監督の本気の演出に触れたことは大きかったようで、「アイドルの活動をしながらこうして映画に出させてもらい、新しい道のようなものも見つかりました。これからいろいろなことを経験して選ぶべき道を見つけられたらいいし、見つけられなくて予想と違う形になってもいいかなって思うんです」と柔らかい笑顔を見せる。
充実した表情で「今も昔も自分をしっかりと持ち、良い意味でマイペースにやってきました。常に変わっていきたいと考えているので、これからもファンの方が驚くようなこともたくさんしていきたいです」と静かな決意をにじませる島崎。大袈裟な表現や適当なリップサービスとは無縁だからこそ、言葉の奥底にある確かな決意が相手の心に静かに響く。「自信がない」と語る彼女を多くの人が見守りたいと思うのも当然のことに思えた。(取材・文:浅見祥子)
映画『劇場霊』は11月21日より全国公開