岩井俊二監督、黒木華は「昭和の最先端女優」!?
岩井俊二監督と黒木華がタッグを組んだ映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』完成披露試写会が16日、新宿バルト9で行なわれ、岩井監督が黒木のことを「昭和の最先端女優」と評する一幕があった。
家を追い出されたヒロイン(黒木)が、いろいろな人と出会う経験を通じて生まれ変わっていくさまを描き出した本作。“映画に愛される未来の女優を探す”というテーマで行ったオーディションで岩井監督が黒木を見いだしてから4年が経過し、「長い時間をかけて少しずつ撮りかさねてきた映画を、ようやく観ていただける日がきて感無量です」と語る岩井監督は晴れやかな顔を見せる。
日本公開に先駆けて11日(現地時間)に台湾で公開され、17日(現地時間)に香港での公開を控える同作品(韓国では日本公開後の4月に公開予定)。台湾と香港でのプロモーションをすでに終えた岩井監督は、「台湾の人から『黒木さんは非常に昭和の雰囲気を持った女優さんですね』と言われて。『ちょっと待ってください。日本の年号がわかるんですか?』と聞きなおしたんです。台湾の人の日本を愛する知識の深さに感心しましたね」と振り返った。
台湾の観客の心をとらえたのは黒木の懐かしさのある雰囲気だったというが、「黒木さんは、よく昭和の雰囲気と言われるんですが、僕個人としては一番現代的な子だと思っていて。その証拠に最近の売れているハリウッドスターの流れを見ると、昔のステレオタイプなモデルさん風の方ではなく、非常に民族的な風貌をした人も多くなっている。そういう流れを見ると彼女はもっとも現代的な、昭和の最先端を走る女優さんだと思っています」とコメント。しかし「昭和の最先端は平成じゃないのかな……」といまいち飲み込めない様子の黒木に、岩井監督は「ごめん、平成の最先端だった」と言い間違えを訂正してみせたが、この日の司会を務めていたジャーナリストの堀潤から「でも昭和の最先端という言い方も非常に含蓄があると思いますけどね」と指摘されると、「そうかぁ」と納得した様子の岩井監督であった。
また、14日が黒木の26歳の誕生日だったということで、漫画「東京喰種トーキョーグール」の作者、石田スイ直筆の似顔絵をサプライズで岩井監督から黒木にプレゼント。同作のファンだという黒木は「こんなに美人じゃないかもしれないけど」とはにかみつつも、「すごくうれしいです。もうちょっと頑張ろうと思います」と笑顔を見せていた。(取材・文:壬生智裕)
『リップヴァンウィンクルの花嫁』は3月26日より全国公開