ジュリー・デルピー監督の新作は性にオープンな母子の関係を描いたラブコメディー!
女優だけでなく脚本家兼監督でもあるジュリー・デルピーが、メガホンを取った新作『ロロ(原題) / Lolo』について8日(現地時間)にニューヨークで行われたAOLのイベントで語った。
主人公は、ファッション業界で働く40歳の女性バイオレット(ジュリー)。友人と南仏のスパで休暇を楽しんでいたが、シングルライフを友人に嘲笑されたことで、IT関係の仕事をする不器用なジャン=ルネ(ダニー・ブーン)と付き合い始め、いつしか恋に落ちるものの、バイオレットの20歳の息子(ヴァンサン・ラコスト)とジャン=ルネとの間でさまざまな問題が生じていく。
本作はこれまでの監督作とはテイストが違うそうだ。「これまでは独立系のコメディー映画を手掛けていたけれど、しばらくフランスを離れていたわたしは、フランスの大衆的なコメディー映画を製作したいと思ったの」と答えた。
コンセプトについて「母親と息子の関係が描かれている。子供っぽいジョークがふんだんに含まれ、わたしも(わたしの)息子も笑えるような作品よ。これまでのわたしの作品は、キャラクター同士がずっと会話していて、息子はほとんど理解していなかったわ。大人のジョークも描かれているけれど、キャラクターが頭をぶつけるような子供っぽいシーンもあるの。わたしは、大人になった今でもそのようなシーンで笑わされることがあるわ。本作でも、小悪魔のような息子が、彼女の恋人ジャン=ルネに子供らしい拷問のような仕打ちをすることになるの」と説明した。
母親と息子がセックスライフに関してオープンに話している点が興味深い。「フランスの全国民がそうではないけれど、わたしは1960年代後半の性解放時代に生まれて、家族とはオープンに性に関して話をしていたわ。バイオレットも性に関して子供と話すことにちゅうちょはしていないの。それに親と性に関して話すことは結構ヘルシーなことよ。わたしは性交渉によってもたらされる病気などの危険性も事前に理解していたわ」と笑顔で語った。
今作にはデザイナーのカール・ラガーフェルドも出演している。「彼とは長年の知り合いなの。とてもスマートで、人を楽しませてくれる。彼はシャネルのデザイナーを長年務めていて、今でも精力的にデザインしているため、ファッション業界のアイコンとして捉えられていて、そんな彼の前で、ジャン=ルネが恥ずかしいことをする設定なの」と明かした。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)