エイドリアン・ブロディ、そっくりな俳優と共演「奇妙だった」
映画『心霊ドクターと消された記憶』に主演したエイドリアン・ブロディが電話インタビューに応じ、同作で自分そっくりな俳優と共演したときの心境を明かした。
本作は、娘を亡くしたショックから立ち直れない精神分析医のピーター(エイドリアン)をめぐるミステリー。ある日、ピーターが最近診た患者全員がすでに死んでいたことが判明。さらに彼らが死んだ列車事故は自分の故郷で起きたものであることがわかり故郷に戻ったピーターが、ゆがめられた少年時代の記憶と向き合っていくさまをスリリングに描く。
故郷に戻ったピーターが久しぶりに再会する父親を演じたのはジョージ・シェヴソフという俳優で、大きな目にハの字眉毛、特徴的な鷲鼻までブロディに瓜二つだ。「そうなんだ。僕たちは本当にそっくりだよね(笑)。すごく奇妙な感じだった」と笑いながら打ち明けたブロディは、「見た目が似ている彼を相手にすることで、キャラクターの複雑な関係にコネクトすることができた。それに彼はすてきな俳優だし。言葉で説明するのは難しいんだけど、とても素晴らしかった」と今までにない経験になったよう。
最年少(29歳)でアカデミー賞主演男優賞に輝いた『戦場のピアニスト』では減量したりピアノの練習をしたりとテクニカルな役づくりが必要だったが、本作は「より精神的なもの。この年齢(43歳)になると僕にもたくさんの経験があって、それを基にした」とブロディは語る。
「俳優は共感の心をもたなくてはならない。この世界で人々が直面している問題にコネクトする能力が必要なんだ。僕たちは皆、程度は違うけどそれぞれに後悔を抱えている。僕たちは間違いを犯し、そこから立ち直り、願わくばそれを糧に成長できたらと思う。でもいくつかの間違いは解決することはできない。喪失についての感情を理解するのにそんなにリサーチは必要なかったよ。もちろんそれを乗り越えることを想像するのはとても難しかったけどね」。酸いも甘いも噛み分けたブロディの名演が本作に深みを与えていることは言うまでもない。(編集部・市川遥)
映画『心霊ドクターと消された記憶』は5月14日より角川シネマ新宿ほか全国順次公開