ジェイク・ギレンホール驚異の肉体改造の裏側…全ての人は怪物を内に秘めている
『トレーニング デイ』のアントワーン・フークア監督がメガホンを取った映画『サウスポー』で、亡き妻と最愛のひとり娘のため再び頂点を目指すボクシングの元世界チャンピオンを演じたジェイク・ギレンホールが、驚異の肉体改造の裏側を語り、ボクシングシーンへの自信をうかがわせた。
怒りを力に変える過激な戦闘スタイルのボクサー、ビリー・ホープ役を務めたジェイクは、「怒りの底には弱さがある。どこかにある種の傷を負っているんだ。ビリーはあるところでそれを見せる。彼は決して幸せとは言えない出来ごとに向き合い、学ぶことができた。それを経て本当の男となる。その結果、父親となることができたんだ」と自らの役柄を説明。
「父親だろうが母親だろうが、姉妹だろうが兄弟だろうが、自分の根底には何があるのかという事だ。何が自分を弱くさせているのか、何が自分を人間たらしめているのかという事。あと、その逆に全ての人は怪物を内に秘めている。内面にファイターがいるんだ。全ての人は、その為ならば戦うという何かを持っている。諦める理由は無いんだ。何かを信じている時には全ての事が戦う理由なんだ。自分の人生を信じて戦い続けるんだ」とビリーが戦う理由は全ての人に共通するものであると熱弁する。
また、『ナイトクローラー』(2014)の役づくりで、12キロの減量を果たし話題を呼んでいたジェイクだが、今回はボクサーを演じるために週7日、1日2回に分けたトレーニングを約6か月にわたって行い、約13キロ増量する驚異の肉体改造で筋骨隆々の姿へと変貌を遂げた。
なんとそのトレーニングにはフークア監督も参加していたのだという。「監督は肉体的な訓練にも一緒に参加すると決めたんだ。監督が自らやって来て毎日鼓舞してくれるというのは素晴らしい事だったよ。監督はほぼ毎日、僕の1回目のトレーニングに来て、一緒にトレーニングをしたんだ。そして、1 日の終わりに僕だけで戻ってきてトレーニングをした」と監督と二人三脚で挑んでいたことを明かすジェイク。
そんな監督との絆は相当なものだったようで、「監督の映画はとにかくものすごく力強くて、ある意味暗いところもあり、芯がある。だからみんな好きなんだ。攻撃的で力がある。また、彼はとてつもなく寛大な心を持っている。彼は僕にもそれを求めたし、僕の攻撃性を見たいと思い引き出した。自分に正直になれるのは、誰かを信頼している時だけだ。僕に全てを差し出させたのは彼の忍耐力、心、優しさだったんだ。彼の為だったら何でもするよ」と言い切る。
ひたむきな役づくりの甲斐あって、劇中のボクシングの試合のシーンには目を見張るほどのリアリティーがある。ジェイク自らも「ボクシングの試合のシーンには体に響くような感覚がある。今まで映画では観た事の無いボクシングの正確さと論理がこの映画にはあるんだ」と自信をのぞかせていた。(編集部・石神恵美子)
映画『サウスポー』は6月3日より全国公開