『アリス・イン・ワンダーランド』続編、まさかのがっかり興収…前作の23%しか稼げず
全米ボックスオフィス考
先週末(5月27日~5月29日)の全米ボックスオフィスランキングが発表され、映画『X-MEN:アポカリプス』が興行収入6,576万9,562ドル(約72億3,465万1,820円)で首位デビューを果たした。同じく初登場となったビッグタイトルの『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』だが、予想をはるかに下回る2,685万8,726ドル(約29億5,445万9,860円)しか興収を上げられず、業界に波紋を呼んでいる。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル110円計算)
ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンスらおなじみのメンバー出演で、数千年の眠りから目覚めて人類に新しい秩序をもたらそうとするミュータントのアポカリプス(オスカー・アイザック)にX-MENが立ち向かうさまを描いた『X-MEN:アポカリプス』。これで『X-MEN』シリーズは9作(『ウルヴァリン』や『デッドプール』などスピンオフも含む)全てで初登場1位を記録したことになり、安定した強さを見せつけた。
一方、『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』は、前作『アリス・イン・ワンダーランド』のオープニング興収(1億1,610万1,023ドル・約127億7,111万2,530円)には及ばないにしても、6,000万ドル(約66億円)以上は稼ぎ出すものと予想されていたが、ふたを開けてみれば2,685万8,726ドル(約29億5,445万9,860円)しか興収を上げられず。前作のオープニング興収の約23%という寂しい結果となってしまった。
2010年に公開された前作は3Dや視覚効果もセールスポイントとなったが6年たって時代も変わり、本作は公開劇場の82%が3D上映だったのにもかかわらず、観客の59%が2D上映を選んだという。批評家からの評判が思わしくなかったことに加え、出演のジョニー・デップの離婚騒動も重なった。
米ディズニーの配給部門のチーフであるデイヴ・ホリス氏は「がっかりです。国内でのオープニング興収は、調査会社からもらった予想をはるかに下回っていました。われわれは大作のビジネスをしています。大抵は大きな成功につながっており、われわれはこうした大きな賭けを続けるでしょう。今回は、われわれが望む結果にはなりませんでした」と The Hollywood Reporter にコメント。しかし、シネマスコア(リサーチ会社CinemaScoreが発表している観客満足度)は「Aマイナス」と上々だというプラス要素もあると語っている。
今週末は、マイケル・ベイが製作を務めた人気作の続編『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>』などが公開される。(編集部・市川遥)
5月27日~5月29日の全米ボックスオフィスランキングは以下の通り。()は先週の順位。
1(初)『X-MEN:アポカリプス』
2(初)『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』
3(1)『アングリーバード』
4(2)『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』
5(3)『ネイバーズ2:ソロリティー・ライジング(原題) / Neighbors 2: Sorority Rising』
6(5)『ジャングル・ブック』
7(4)『ザ・ナイス・ガイズ(原題) / The Nice Guys』
8(6)『マネーモンスター』
9(14)『ラブ&フレンドシップ(原題) / Love & Friendship』
10(8)『ズートピア』