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『タクシードライバー』脚本を譲った理由は?ブライアン・デ・パルマが明かす

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僕だって失敗することもあるよ。 - ブライアン・デ・パルマ監督
僕だって失敗することもあるよ。 - ブライアン・デ・パルマ監督

 巨匠ブライアン・デ・パルマ監督を描いたドキュメンタリー映画『デ・パルマ(原題) / De Palma』について、デ・パルマ監督自身が、8日(現地時間)にニューヨークのリンカーン・センター映画協会で行われたイベントで語った。

【写真】ブライアン・デ・パルマ監督作『ブラック・ダリア』

 デ・パルマ監督はコロンビア大学時代に映画に興味を示し、卒業後に友人だったロバート・デ・ニーロと共に映画撮影を試みる。その後、アルフレッド・ヒッチコック監督に影響を受けた彼は、ホラーやスリラー作品で自身の地位を確立していく。本作はノア・バームバックジェイク・パルトローが共同監督を務めた。

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 『カジュアリティーズ』について「1969年にニューヨーカー誌に掲載された記事から、およそ20年が経過してようやく製作された。誰もあの原作を映画化したくなくて、僕は『アンタッチャブル』の興行の成功で監督を任された。当時、パラマウントの製作者は(内容が)『気が滅入る』と言って製作せず、コロンビアが配給会社となり、マイケル・J・フォックスの出演でようやく製作できた」と振り返った。

 『スカーフェイス』はシドニー・ルメットが監督する予定だった。「実は、僕が最初に『スカーフェイス』の脚本の内容が複雑で監督降板を決めたことから、ルメット監督が『スカーフェイス』に関わり、オリヴァー・ストーンに脚本を書かせたんだ。僕がこの作品に最初に関わった時点では、単なる時代物のギャング映画だった。それをオリヴァーが脚色して、キューバからアメリカに来る青年に変えた。そんな素晴らしい脚本だったものの、ルメット監督の製作の決め手にはならず、彼は僕にその脚本を委ねたんだ」と明かした。

 脚本家ポール・シュレイダーから渡された『タクシードライバー』の脚本を、マーティン・スコセッシ監督に譲ったのか、との質問には「ポールは僕の『悪魔のシスター』が好きで、『タクシードライバー』の脚本をクリスマスシーズンに渡してくれた。読んだ脚本は大変素晴らしいものだった。だが僕は映画『ゲット・トゥ・ノウ・ユア・ラビット(原題) / Get to Know Your Rabbit』の興行で失敗し、商業的な成功を収めたかった。『タクシードライバー』の脚本では、主人公が狂っていると感じて、これをどうやったら商業的に成功させられるかとも思った。そこでマーティンにあの脚本を渡した。もっとも彼らも、デ・ニーロを雇うまでなかなか製作に入れなかったし、商業的に成功するとは思わなかったはずだ」と答えた。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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