地球温暖化の解決策とは?オスカー受賞監督の新作
ドキュメンタリー映画『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実』でオスカーを受賞したチャールズ・ファーガソン監督が、新作『タイム・トゥ・チューズ(原題) / Time to Choose』について、6月2日(現地時間)ニューヨークのAOLで行われたイベントで語った。
【動画】チャールズ・ファーガソン監督作『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実』
本作は、現在起きている地球温暖化の主な原因となっている森林伐採や化石燃料の採掘などについて世界規模で調査しながら、温暖化を防ぐために再生可能エネルギーの開発と利用を訴えたもの。映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のオスカー・アイザックがナレーションを務めた。
ファーガソン監督は友人から「地球温暖化は解決できる問題だ」と言われたそうだ。「多くの人が10年前に『不都合な真実』を観たと思うが、あの映画は問題提起しただけで、われわれに問題を解決できる楽観的な見解を与えてくれなかった。その友人から僕は地球温暖化について教育された。その内容は『地球温暖化は解決できるだけでなく、もし、より真剣に取り組み、真剣に人々に訴えることができたら、地球はより繁栄し、より健康的になる』というものだった。それは、映画を製作する上で十分衝撃的なことだった」と語った。
再生可能エネルギーの利用を人々に訴える重要性について「もちろん、地球温暖化は世界的な問題だが、同じ地球温暖化でもケニア、インドネシア、ブラジルなどの国々では、その意味合い(地球温暖化を起こす原因)が違う。だから先進国から発展途上国まで、世界の人々がどのように生きているかも見せる必要があった。さらに、もしこの問題について今話し合わなければ、自然が失われるだけでなく、海岸に面した世界的な主要都市ベネチア、リオデジャネイロ、ニューヨークなどが(地球温暖化による海面上昇で)失われ、大きな文化を失うんだ」と説明した。
本作は「Coal and Electricity(石炭と電気)」「Oil and Cars(石油と自動車)」「Land and Food(土地と食物)」の3部構成になっている。「最初は全く違った構成だった。最初に全部問題提起して、その後に問題解決を描く予定だった。ところが、テスト試写で20~30人に観せると、彼らから『45分も地球の惨状を見せられたら、最後まで映画を鑑賞できない』と言われた。そこで、国別の地理的な分け方なども試した。だが最終的にたどり着いたベストな構成は、テクノロジーと地球の温暖化の関連性をもとにしたこの3部構成だった」と明かした。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)